IT重説は1割強、オンライン内見は6割強
総務省が発表した「令和5年通信利用動向調査」によれば、スマートフォンを保有している世帯は90・6%で、インターネットを利用している人も86・2%と9割近い。そうしたことを背景に、賃貸住宅の仲介の現場でもIT化が進んでいる。
IT重説実施の4割が関東
ビデオ通話などを利用してオンライン上で不動産取引における重要事項説明を行うIT重要事項説明(以下、IT重説)。国土交通省が公表した「IT重説等の実施状況と今後の対応について」によると、回答者のうちIT重説を実施する事業者は13%だった。実施している事業者のエリア別の割合を見ると、関東が40・0%で最多。以下、近畿が11・0%、九州が10・0%と続いた(グラフ1)。
入居希望者にとって、移動時間や交通費をかけて店舗を訪れる必要がないIT重説。仲介事業者側も、業務の効率化やスケジュールの調整がしやすいなどメリットが多く、大都市を中心に浸透してきているようだ。
オンライン内見23年比減
全国賃貸住宅新聞社が行った「2024年繁忙期速報アンケート」。2024年の繁忙期(1~2月中旬)において、成約した顧客のうちオンライン内見をした人の割合を聞いたところ、1~10%が52・1%で最多となった。23年の繁忙期の62・9%と比べると、10・8ポイントの減少だった。
また11~30%は9・5%で、23年の7・6%より1・9ポイント増加。31~50%と51%以上もそれぞれ23年から増えた。全体の64・6%がオンライン内見を実施したことになる。
一方で0%は35・4%となっている。繁忙期に成約した顧客のうち3社に1社の割合でオンライン内見をした人がいなかった。23年との比較では6・8ポイントの増加だった。新型コロナウイルス禍をきっかけにオンライン内見の周知が進んだものの、それ以降の利用はあまり広がっていない印象だ。
なお「賃貸仲介・入居者動向データブック2024」では、「賃貸仲介件数ランキング」や各種アンケート調査の結果といった賃貸仲介の現場に即したオリジナルデータを掲載。11月には賃貸管理事業者とオーナーの今が分かる「賃貸管理・オーナー動向データブック2024─2025」を発売した。
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(2025年1月号掲載)
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