土地活用 キャッシュレス決済サービスを通じた駐車場経営の効率化
少ない台数でも採算性を確保
▲スマチューが導入されている東武鉄道東上本線ふじみ野駅西口調整池駐輪場の駐輪用ラック
ITシステムの開発を行う Q sʼfix(キューズフィックス:東京都千代田区)は、21年3月よりキャッシュレス決済サービス「支払いサクサク」を提供している。スマートフォン上で支払いが完結する決済サービスだ。「QRコード(2次元バーコード)」読み取りや「LINE」の専用アカウントから決済画面にアクセスすることができる。駐車場や駐輪場、オフィスにある菓子販売コーナーなどに導入することが可能だ。
駐輪用ラックの製造を手がけるヨコトク(横浜市)は、同社が運営する駐輪場サービス「スマチュー」に支払いサクサクを導入している。
スマチューは駐輪用ラックの開閉をするためのコントローラーと駐輪用ラックのみ設置すれば導入が完了し、自転車1台から駐輪場運営が可能。活用が難しい小規模なスペースや物件の一角、建物内の空きスペースを駐輪場として活用することができる。駐輪スペースが足りていない駅前などでの活用を検討している不動産会社や土地オーナーの利用を見込む。
利用者はスマホで駐輪用ラックの解錠や利用料金の精算を行うため、精算機は設置不要。初期投資費用を抑えることができ、小規模なスペースでも採算性の確保が可能となる。
精算機を使用した駐輪場を運営する際には集金作業が必要だが、支払いサクサクを導入しているスマチューでは集金が不要だ。また支払いサクサクの管理画面で簡単に料金設定ができるため、平日と土曜・日曜日や、入り口からの近さなどで細かく利用料金を設定することも可能。精算機タイプの駐輪場では管理に手間がかかっていた決済関連業務の効率化を目指した。
利用者はLINEから利用登録を行う。支払いは事前に登録したクレジットカードや「PayPay(ペイペイ)」などのQRコード決済が利用可能。決済画面で希望する支払い方法を選択することができる。
利用者のメリットは、スマホで支払いが完結することに加えて、防犯対策が強化される点にもある。精算機タイプの駐輪場に駐輪する場合、第三者が解錠できてしまうため自転車が盗難に遭う危険性がある。スマチューには「盗難防止設定機能」があり、自分が駐輪したラックの番号をスマホの画面に入力するだけで、設定を行ったアカウントからでしか解錠できなくなる。
Q sʼfixはヨコトクと共同でスマチューの導入拡大を目指す。また今後は、駐輪場以外での支払いサクサクの導入にも力を入れる。Q sʼfixの柳宏幸営業ユニットプロデューサーは「支払いサクサクは現金での精算が発生する場面において、どこでも活用できる。現金を扱うことによる業務負荷の軽減に寄与したい」と話す。
▲支払いサクサクを使ったスマチューの支払い画面▲
(2024年4月号掲載)
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