入居者との思い出:困り事への迅速な対応

賃貸経営入居者との関係づくり

困り事への迅速な対応のお礼にと 冷えたジュースを入居者が差し入れ

 浅野道彦オーナー(千葉県柏市)は所有する賃貸物件の清掃はもちろん、突発的に発生するトラブルへの対応など、ほとんどすべてを自主管理で行っている。入居者全員に自分の携帯電話の番号を教えていて、何かあると直接連絡が入るようにしているのだ。

浅野道彦オーナー(66)(千葉県柏市)

[プロフィール]あさの・みちひこ
1958年、千葉県木更津市生まれ。運送会社に勤めていた53歳の時に将来の年金額や老後について考え、不動産投資を開始。着実に物件を増やし、57歳で退職して専業家主となる。現在RC造マンション1棟、アパート3棟、戸建て4戸、合計40戸を自主管理中。

▲Aさんの心遣いを感じながら、懸命に草刈りをした後の庭

 2024年夏、所有アパートの1階に住む、女性入居者のAさんから隣の部屋が荒れ気味で困っていると連絡が入った。入居者が管理することになっている専用庭の雑草も、伸び放題なのだという。猛暑の折ではあったが、Aさんにこれ以上迷惑をかけられないと思い、連絡が来た翌日に、自宅から約50㎞離れた場所にある物件に赴いた。

 行ってみると、雑草は浅野オーナーの背丈以上に伸びて、想像していた以上の状況だった。全身汗まみれになって雑草を抜いていると、Aさんがよく冷えたジュースを差し入れてくれた。いつも草刈りに行くとペットボトルのお茶を出してくれるのだが、その時は買い置きがないとのことで、グラスに氷をたっぷり入れたジュースを持ってきてくれたのだ。

 草刈り後には周辺の片付けに着手。大変な作業だったが、Aさんが1時間おきに差し入れをしてくれたので、そのたびに折れそうな心を立て直し、4時間ほどで無事に終えることができた。

 「冷えたジュースは体と心に染みました。あの時ほど、Aさんが女神のように見えたことはありません。自主管理は私のような規模であれば、メリットのほうが大きいと思います。入居者とのコミュニケーションが密に取れ、クレーム時の対応が迅速になります。その結果、入居者の安心感や満足度が増せば、退去が減って安定した経営につながります」(浅野オーナー)

 Aさんとの関係も、バイクの簡易駐車場を彼女の希望で造るなど、日頃から良好な関係が築けていた。そのため、大きなクレームにはならなかったのだろう。この物件は浅野オーナーが最初に購入した中古のアパートだが、空室率が低く、11年以上も利回り20%で経営できているという。

(2025年 3月号掲載)

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