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余剰在庫を有効活用する資材のアウトレットショップ

コマツ

 スポーツ施設や住宅の内装工事を手がけるコマツ(大阪府東大阪市)は、内装資材のオンラインショップ「リバマ」を展開する。廃棄予定だった内装資材を再流通させることで、サステナビリティーと余剰在庫の有効活用の実現を目指す。

コマツ(大阪府東大阪市)
小松智社長(53)

大手メーカーが提供 廃版になった資材を販売

 リバマは、メーカーで廃番になった床材や壁材の販売を行うオンラインショップだ。サンゲツ(名古屋市)やリリカラ(東京都新宿区)など大手インテリアメーカーが持つ余剰在庫のほか、工務店や内装事業者が購入したものの余らせてしまった資材を販売する。定価に比べて、安く販売されているものがほとんどだ。商品によっては最大90%割引で販売する。

 新しい型番の製品が発売された後、メーカーでは販売しきれなかった古い型番の製品が余剰在庫として倉庫に眠ってしまうことがある。これらの在庫は一定期間保管された後に廃棄されることが多い。廃棄費用がかかるうえに環境への負荷がかかるため、メーカーにとって余剰在庫の処分は課題となっていた。

 コマツの小松智社長は「内装工事を行う中で、『最新のものでなくてもいいから安く奇麗にしてほしい』というオーナーのニーズを感じた。余剰在庫を販売するマーケットがあれば、メーカーだけでなく資材を購入する工務店やオーナーにとってもメリットが大きい」と話す。

 同社はリバマに掲載する製品を撮影するためのスタジオを完備している。工務店や内装事業者などが抱える在庫は製品画像がないことも多い。画像がない商品は撮影をして掲載できるようにした。

内装事業者の負担軽減 壁紙判定アプリを開発

 同社は繊維資材の卸売事業者として1976年に創業した。2024年2月に壁紙識別アプリ「かべぴた」をリリース。壁紙にスマートフォンをかざすだけで、サンゲツやリリカラなど6メーカーの壁紙約600品番の中から、撮影したものに色や質感などが近い五つの品番が表示されるアプリだ。内装事業者が、品番が分からない壁紙を探すことに多大な労力をかけていることに課題を感じ、同志社大学と産学連携して開発した。

 24年12月末時点で、リバマには床材と壁紙を中心に100点以上の商品が掲載されている。掲載に向けて準備が進んでいるメーカーも数社あり、今後は提携するメーカーを拡大し、掲載数を増やす計画だ。「内装事業者や工務店、オーナーなどの利用を想定している。メーカーと利用者双方のニーズをマッチングさせ、持続可能な社会の実現にも貢献したい」(小松社長)

▲画像撮影用のスタジオ 撮影機材を完備している

(2025年 3月号掲載)

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