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賃貸経営トレンド

札幌|外国人季節労働者の増加に関わる課題

外村真美オーナー

 倶知安町の市街地に、大規模共同住宅街の開発計画が持ち上がっています。建設予定地はスキー場や宿泊施設が集積するニセコひらふ地区から約5㎞離れている農地で、農地転用を行い、鉄骨造2~3階建ての共同住宅を30棟建てる計画です。

 人口約1万5000人の同町は、冬には約2000人の外国人がリゾート関連施設の季節労働者として滞在するため、住宅不足が慢性化しています。これまで運営事業者はニセコひらふ地区や市街地にアパートを借りたり、共同住宅を自前で建てたりしてきました。 

 今回の開発で想定される居住者はリゾート施設で働く外国人従業員約1200人で、これは倶知安町の人口の1割近い数字です。予定地の周囲には住宅街が広がり、小学校や町役場も近接しています。外国人住民の増加で交通事故や生活ルールを巡るトラブルも増えており、この計画に関して地元住民からは不安の声が上がっているようです。

 同様のトラブルは全道に広がっています。道内各地で、オーバーツーリズム(観光公害)と居住する外国人によるトラブルに関する課題が山積しています。行政には、地元住民の生活を守りながらも、観光客やそれに関わる人たちの満足度も損なわないバランスを取った対策が求められます。

(2025年 5月号掲載)

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