仙台|12人乗りワゴン車で駐車場不足問題を解決
塩澤俊哉オーナー

地方の都市では「駅が近い」ことよりも、「敷地内に駐車場がある」ことが物件購入時の条件です。ファミリー向け物件になると、1世帯に2台分の駐車場が必須で、3台分あれば優良物件に変わります。私自身、利回りが高く良い物件だと思っても、駐車場が足りないために、諦めた経験も少なくありません。この駐車場問題が公共交通機関で解決できれば、と考えました。
宮城県では、公共交通機関の在り方に課題があります。現在のライフスタイルや地域の構造からすると使いにくく、多様化した移動ニーズを満たせなくなっています。
そんな中、近年発展が著しい利府町では、2023年11月から新しい移動サービスとして、12人乗りのワゴン車2台を利用した「mobi(モビ)」を運行しています。
このサービスを使用する際は電話やアプリで予約を行い、町内234カ所の乗降場所間を移動します。料金は1回300円と安価です。利用者は10代から80代と幅広く、多い月で1200人の利用があるとのことです。
このような事例が各地に広がれば、車の所有が不要となり、交通の便が悪い立地の遊休不動産も生かせると思います。多様化するニーズに対応する、住民の足となってくれることを期待します。
(2025年 5月号掲載)