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賃貸経営トレンド

広島|山陽新幹線開通後50年、これからの強み

豊田裕之オーナー


 1975年に山陽新幹線が全通したことで、広島市は交通の要所としての地位を固めました。そして多くの企業が同市に支店を設立して、経済活動が活発化し、同時に市の人口が増加。住宅市場も急速に拡大が進み、交通の便が良くなり移住者が増えたため、賃貸物件の家賃も上昇したのです。新たな住宅地が開発され、賃貸住宅市場は活況を呈しました。

 それから半世紀が過ぎた現在、広島市は人口流出が問題になっています。広島市から東京や大阪などの大都市へのアクセスが容易になったため、いわゆるストロー効果で特に若年層が大都市へ移住する傾向が強まりました。

 地域の人口減少や高齢化が進むことから、賃貸住宅市場は今後も変動が予想され、賃貸物件の需要が減少する可能性があります。

 また多くの企業で広島支店の閉鎖・統合が進んでいます。法人の賃貸需要は、かつてのボリュームがなくなってきました。

 一方で、リモートワークの普及やインバウンドによる市場の変化に伴い、広島市の魅力が再認識され、新しい需要が生まれることを期待しています。平和都市として世界から注目される強みを生かし、今後行政には若年層や子育て世代を引き付けるための施策が求められるでしょう。

(2025年 6月号掲載)

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