築39年の1Kを「脱3点ユニット」で賃料アップ

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築39年・22㎡の1Kでも賃料アップ
狭小水回りを克服した「脱3点ユニット」

 横浜市中区、京浜急行電鉄本線日ノ出町駅からすぐ近くに位置する「エスプレイス日の出町」。築39年、専有面積22㎡のRC造の一室が生まれ変わった。

 今回の工事の目的は明確で、「トイレとバス、洗面から成る3点ユニットを分離し、脱衣スペースを新設したい」というオーナーの強い要望が出発点。しかし、「スペースが狭すぎて分離は不可能」と複数社に断られ続けたという。そんな中で依頼を受けたのはエイムズ(東京都目黒区)だった。

 水回りの限られた空間を最大限に生かすためにユニットバスをコンパクトな1014サイズで新設。そして、脱衣所内にトイレと洗面台を配置した。この洗面台をオリジナルの造作にすることで、幅や奥行きの制約がある空間にもフィットするよう設計し、狭小空間を最大限有効活用できる工夫を施した。

 

 リノベーション全体のコンセプトは「狭いけれど、明るく、広く感じさせること」。空間全体を白で統一し、自然光を反射しやすい明るい内装とした。それに加えて、洗面台とキッチン背面にはタイル仕上げを施し、コンパクトなワンルームでも「上質な暮らし」を表現した。

 かつての和室は洋室に変更し、間仕切りも撤去して窮屈さを払拭。収納は押し入れからオープンクローゼットに一新。圧迫感を減らしつつ収納力を確保した。

 これらの工夫で物件の価値は向上。工事前の募集賃料は6万円だったが、完成後は7万2000円で成約。工事費用は約320万円で上昇した賃料で計算すると投資回収期間は約3年カ月だ。さらに竣工から1カ月以内でのスピード成約だった。入居者は男性で、入居の決め手は「新築のような仕様と清潔感」だったという。

1:玄関横には室内洗濯機置き場のほか、シューズボックス代わりに可動棚を設置した
2: キッチン背面はタイルを使い上質な暮らしを演出
3: 全体的に白を基調とした。明るくなるほか、黒いサッシと相まって締まりのある印象に
4 :限られた室内空間の圧迫感を軽減するため、オープンクローゼットを採用
5 :洗面台は空間に合わせてオリジナルで造作した

施工会社
エイムズ(東京都目黒区)
リノベーション営業 岸川貴氏

(2025年8月号掲載)

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