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築60年、既存不適格建築物をリノベ
スキームを活用し店舗併用住宅に再生
house Matsubara(ハウスマツバラ)
Japan. asset management(東京都品川区)内山博文代表取締役
築60年で既存不適格建築物、しかも借地権付きのうえ検査済証なしの空き家。再生の難易度が高いこの物件をリノベーションし、1階が店舗、2階が住居の店舗併用住宅として完成させたのが「house Matsubara(ハウスマツバラ)」だ。京王電鉄井の頭線東松原駅から徒歩4分の場所にある。
同物件は既存不動産の活用事業として「空き家リノベラボ」を運営するJapan. asset management(ジャパンアセットマネジメント 以下、Jam:東京都品川区)が、物件オーナーとの共同投資によりリノベ。さらに同社が8年間マスターリースしている。「相談を受けた当初に、大きな公園やクリエーターが多く集まるエリアに近いという恵まれた環境に着目しました。そうした立地を最大限生かせるように兼用住宅として企画・設計したのです」とJamの内山博文代表取締役は話す。
1階を店舗とするため、もともとあった間仕切り壁を撤去。さらに、店舗利用者が土足で利用することを考えて土間床を採用するとともに、キッチンやトイレの床にはフロアタイルを貼った。工事にかかった費用は約700万円。店舗面積は、確認申請をする必要がなく用途変更ができる200㎡未満に収めた。
テナントのリーシングは、不動産の賃貸・管理などを手がけるトノコーポレーション(千葉県松戸市)が運営する「omusubi(オムスビ)不動産」に委託。出店希望者に改修着工前から現地を内見してもらうことで、早期のマッチングが実現した。
建物や空間をデジタル化し3D(3次元)を用いて設計を行っていたため、出店者に改修前に具体的なイメージを提示することができた。「改修工事の進行中にテナントが依頼した設計事務所との打ち合わせがスタートできたので、ある程度希望に沿った対応が可能になりました」(内山代表取締役)
リーシングや施工だけでなく、底地権者(土地所有者)との交渉や調整についてもJamのパートナー企業に委託。空き家リノベラボのスキームを活用することで、リーズナブルかつ信頼のおける会社への依頼が可能となった。
house Matsubaraが竣工したのは3月。その後、テナント自身が漆喰壁の塗装をDIYで仕上げるなどし、自家製の漬け込み酒やサワーを提供するバー「Botany(ボタニー)」が7月にオープンした。
「空き家のオーナーと事業者をつなぐ空き家リノベラボを活用し、築古住宅をバリューアップすることができました」(内山代表取締役)
(2024年11月公開)
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