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両親の物件をリフォームして入居率上げる
夫婦で利益を出せるまでに改善
松山新一オーナー ■愛知県
51戸の賃貸経営を行う松山新一オーナー(愛知県)と、経理担当の妻みのりさん。賃貸経営は夫の両親が始めたものだ。「サラリーマンと結婚したはずなのに、果樹農業をすることになり、さらにはどういうわけか、急に賃貸経営もすることになってしまって」と妻のみのりさんは振り返る。2016年に夫の親が病に倒れ、何の前触れもなく賃貸経営を夫婦で引き継いだ。
「夫は長男ですが、両親から賃貸経営のことは何も聞いていなかったのです。物件の鍵も、契約書も、どこにあるのかわからない。物件が50戸あるということだけがわかっていたので、申し訳ないと思いながら義両親の家を家捜しして、必要書類を見つけ出しました」(みのりさん)
夫が両親の成年後見人として認められて、本格的に物件管理をするように。すべての物件を売却することもできたが、それはできなかった。空室が多く買い手がつかないことが予測できたことと、ローンが残っており、売却益が出ないどころかマイナスになる可能性があったからだ。「50戸のうち半分は空室で、相当厳しい状態でした」(松山オーナー)
やむなく入居者の何人かに部屋を移動してもらい、その土地を更地にして売却。当面の資金を得た。
住宅弱者を積極的に受け入れ 物件の付加価値にする
夫の両親が経営していたときは、物件のブラッシュアップにお金をかけてこなかった。すぐに出せるお金はなかったが、松山夫妻はお金を借りてでも、リフォームをして入居率を上げることを決断。管理会社とも相談してリフォームを進めていった。借り入れたのは約1000万円だ。「この辺りは住宅地。見た目や築年数が似たような物件も多く、差別化をして選んでもらわなければならないと考えました」(松山オーナー)
間取りは平成初期の建築らしい3DK。まずは大半をフローリングに貼り替えた。また、玄関を開けてすぐに部屋とトイレと浴室という造りで、脱衣室もなかったが、玄関を開けても部屋の中が見えないよう、後付けのシューズボックスで目隠しをした。一つしかなかったテレビのジャックを増やしたり、エアコンを1台付けたりもした。
こういった差別化が功を奏し、徐々に入居が決まっていった。今ではおおむね満室を維持できている。「まだ成功とはいえないけれど、税金を払ってもお金が手元に残るようになってきました。2年後にはローンを払い終えるので、戸数を増やす、リフォームをするといった新しいステップを考えています」(松山オーナー)
(2024年2月号掲載)
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