マンション大規模修繕工事に関するQ&A  周期や費用、時期の疑問を解決!

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マンションの大規模修繕工事は多額の費用が掛かるため、毎月の修繕積立金から費用を積み立てます。

大規模修繕の周期は、修繕場所によって修繕周期などが異なります。

定期的に建物診断を行い、修繕周期と比較しながら修繕計画を立てていきます。

大規模修繕工事とは

マンションは資産価値の維持のためにも定期的な大規模修繕工事が必要です。大規模修繕工事は築12~15年をめどに建物診断を行い実施するのが一般的です。

修繕場所ごとに修繕周期・時期が異なり、諸条件によって劣化条件も変わってくるからです。

しかしその費用が多額で、長期的な資金計画が必要になります。無理のない効果的な大規模修繕を実施する必要があります。

大規模修繕工事の周期・時期・期間とその内容

大規模修繕の周期・時期・期間

大規模修繕工事の屋根・外壁、ベランダ・階段・廊下、室内設備、外構、排水管などの周期・時期・期間は以下の通りです

  5-10年 11-15年 16-20年 21年-25年 26-30年
屋根・外壁   塗装   塗装・ふき替え  
ベランダ・階段・廊下 塗装 塗装・防水 塗装 塗装・防水 塗装
室内設置 修理   修理   修理
外構など     修理   修理
排水管 高圧洗浄など 高圧洗浄など 給排水管 高圧洗浄など 給排水管
その他   給水器など   浴室設備など  

大規模修繕工事の内容

外壁塗装

マンションの第一印象に影響を与えるのは外壁塗装です。外壁塗装の劣化のサインは、以下の通りです。

  • 塗料に含まれる顔料がチョークの粉のように外壁の表面に出てくるチョーキング現象 
  • タイルがはがれかけている 
  • 壁のひび割れに沿ってモワモワした模様が浮き出るエフロレッセンス現象 
  • 窓周りのパッキンに隙間がある

改修せず放置していると、雨水の新入や結露によって入居者の荷物がぬれてクロスの張替えの必要が生じたり、タイル落下で住人や通行人に被害をもたらす可能性もあります。外壁工事は、タイル、サイディング、塗装に分けられます。同じ施工法でもグレードや性能や強度が異なります。見積書で一色となっており内訳が記載されていない場合は、数字やメーカー名まで確認します。対人、対物保険の保証額も確認しましょう。

階段や廊下

マンションの階段や廊下の劣化のサインは以下の通りです。

  • 手すり、階段の鉄部がさびている
  • 塩化ビニルシートに汚れが付いて取れない
  • 廊下の床の塩化ビニールシートがたわんでいる

劣化を放置していると、いざというときに避難用階段が使えなかったり、手すりが折れたり、雨漏りが発生したり、ひさしが折れるなどの被害が出ます。気を付けたいのが避難用階段と居室玄関のひさしです。普段意識しない場所なので盲点となりやすいです。

築年数が古いマンションでは特に手すりが要注意です。人が寄りかかることがあるために、劣化は安全性の低下につながります。予算があれば錆に強い、アルミニウム製の手すりにするのがいいです。照明や、人感センサーの交換などもしておくと建物の付加価値向上につながります。

給排水管

マンションの給排水管の劣化は建物寿命に直結します。以下が劣化のサインです。

  • 赤水が出る
  • 排水管が詰まる

赤水が出たり排水菅が詰まったら劣化のサインだがその時にはすでに重症の場合もあります。改修しなければ、漏水が起きたり、漏水による躯体の劣化や、汚水により臭いが発生します。そのため定期的な点検が必要です。

修繕には、更新(取り換え)と更生・延命(補修・補強)の工事方法があります。部分ごとに工法を変えることもできます。劣化が初期のことがその個所を交換するだけですむ場合もありますが、金属製の給水管は耐久性の高いポリエチレン製のものへの更新工事をしておくと資産価値の向上も期待できます。

屋上防水

マンションの屋上をこまめに掃除して雨水がしっかり流れるようにしておくことが屋上防水を長持ちさせるコツです。屋上防水の劣化のサインは以下の通りです。

  • 15年程度何もしていない
  • ヒビ割れしている
  • 草が生えている
  • 雨の日に水が溜まる

改修せずに放置していると、雨漏りが発生したり、土台が腐ったり、コンクリート内部の鉄部がさびたり、内装の壁も張り替えが必要になります。見積もりを依頼する際は、工法別に2パターン程度出してもらうと希望する予算や施工範囲に合わせて比較しやすくなります。

見積書では、保証年数、定期点検の年数、工法名、材料のメーカー名、下地調整、ドレン改修(排水溝)の記載を確認しましょう。塗膜の剥がれなどを防ぐ下地調整が入っていなかったり、料金が安すぎたりする場合は要注意です。

大規模修繕工事の手順

建物診断をする

築12~15年ごとに行う建物診断では、場所ごとの変化・劣化や補修の緊急性についてランク付け、リスト化すると修繕内容を検討しやすくなります。

  • 1年以内に修繕しなければならない場所
  • 一緒に工事しておきたいところ
  • 緊急ではないが建物の付加価値を上げるために同時に工事しておきたい場所

なお中古物件では、過去に所有していた家主がどのようなメンテナンスを行ってきたのか修繕履歴をチェックしておくことも重要です。建物の屋上や空室の状況も家主が直接目でしっかり確認して置くことで修繕か所を決める判断材料になります。

見積もりを行う

マンションの修繕箇所や工事内容が決まったら、複数の事業者から相見積もりを取ります。

相見積もりの業者が多すぎると比較が大変ですし、事業者側のモチベーションが下がってしまいます。

2~3社、多くても4社程度に絞って見積もりを依頼するといいでしょう。見積もりには以下の内容を記載してもらいます。

  • 使用する素材
  • 具体的なメーカー
  • 型番
  • 費用
  • 耐久性
  • 工法

良い事業者を見分けるコツは、細かい質問に答えられるかどうか。見積書に記載された部品や材質についての質問に具体的かつ丁寧に回答してくれれば、該当分野に精通している証拠と言えるでしょう。

大規模修繕工事費用で一番コストが掛かるのが外壁塗装のための足場費用です。足場工法では、外壁などの手の届かない場所を安全に施工でき、居室内を通らずにバルコニーの防水工事が行えます。しかし足場費用の設置や解体には大きな費用が掛かります。

そのため足場を設置せずに行う無足場工法もあります。この工法では大幅なコストカットが可能です。作業員がロープを付けて施工を行ったり、可動式のゴンドラを使う方法などがあります。

大規模修繕の費用

マンションなどの大規模修繕日の費用は一戸当たり100万円とされます。大規模修繕費用は、マンションの住人が毎月支払う積立修繕金から支払われます。

修繕積立金と似たような費用として管理費があります。管理費はマンションの共用部分の費用で、共用部分の光熱費、清掃費やそれらの管理会社への業務委託料になります。

修繕積立金の平均は毎月11,243円(国土交通省 マンション大規模修繕工事に関する実態調査より)とされます。修繕積立金は最初の契約とずっと同じではなく、値上げされることもあります。

(参考:国土交通省 マンション大規模修繕工事に関する実態調査)

まとめ

大規模修繕工事は築12~15年をめどに建物診断を行います。

大規模修繕工事の屋根・外壁、ベランダ・階段・廊下、室内設備、外構、排水管などの周期・修繕場所ごとの周期と突き合わせて、劣化状況を確認して修繕工事の計画を行います。

大規模修繕工事業者は数社から見積もりを取り金額と施工内容を把握し比較して契約しましょう。

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