【特集】人気設備から読み解く 2025年のトレンド:注目設備8選③

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セキュリティー
施工費抑えるワイヤレスインターホン

 パナソニック(東京都港区)は7月から、集合住宅を簡単にオートロック化できるワイヤレスインターホン「AirEZ(エアイーズ)」を販売している。共用部に設置する送受信器を通じて、エントランスのインターホンと各住戸をワイヤレスでつなぐ。

 一般的なオートロックは、エントランスのインターホンと各住戸を有線で結ぶため、既築物件で導入するには大規模な工事が必要だ。AirEZは無線方式なので、共用部から住戸内への新規配線が不要となる。

▲AirEZの機器。左からインターホン親機、ドアホン子器、カメラ付きロビーインターホン、ワイヤレス送受信器

 同社のグループ会社の試算では、既築物件に有線型のオートロックを導入する場合と比べて施工費を約6割減らすことができる。機器代を合わせても約4割のコスト削減につながる。

 対象物件は最大45戸までの集合住宅。建物の構造は問わない。パナソニック・エレクトリックワークス社でマーケティングを担当する課長の吉井祐二氏は「オートロックがない既築物件や、オートロックがある物件での入れ替え需要を見込んでいます」と語る。

 希望小売価格は「インターホン親機ドアホン子器セット」が13万8600円、「ロビーインターホンワイヤレス送受信器セット」が67万3200円(いずれも税込み)となる。

セキュリティー
共用部も専有部も鍵要らずの顔パス

 顔認証プラットフォーム事業を行うDXYZ(ディクシーズ:東京都新宿区)は、主に新築マンション向けに、顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)マンション」を提供している。

 入居者が自分の顔情報を専用アプリに登録し、エントランスや住戸扉にある顔認証装置に顔をかざすだけで解錠することができるもの。顔が鍵の役目を果たすため、物理鍵が必要なくなる。顔認証装置を宅配ボックスに設置してボックスの解錠をしたり、エレベーターに装置を設けてボタンを直接押さずに自動で昇降することができる。入居者の家族の顔情報もアプリに登録することが可能で、スマートフォンを持たない子どもも利用することができる。

▲エレベーター前で顔認証を行うイメージ

 さまざまなメーカーの顔認証装置に対応するのが特徴で、例えば宅配ボックスと住戸扉で顔認証装置のメーカーが違っていても問題はない。共用部や専有部の箇所ごとで最適な装置を組み合わせることができる。

 FreeiDマンションは21年1月に提供が開始され、24年9月末で118棟に導入されている。導入済みのマンションの規模は10戸未満から200戸超までさまざま。同社事業開発部長兼経営企画部長の橋本裕介氏は「物件の差別化と賃料アップを狙った導入が大半です。その中には1割の値上げに成功した物件もあります」と語る。

(2024年12月号掲載)
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