エネルギー 太陽光発電を活用した入居者への電力販売 イーネットワークシステムズ
イーネットワークシステムズ
(東京都新宿区)及川浩社長(54)

余剰電力の売電による収益化も可能
電力小売事業を行うイーネットワークシステムズ(以下、ENS:東京都新宿区)は、太陽光発電を活用したオーナー向け収益向上サービス「太陽光発電塔載低圧一括受電サービス」を2023年10月より提供している。物件の屋根に太陽光発電設備を設置し、オーナーが建物全体の電気契約を行う。太陽光で発電した電力とENSが供給する電力を合わせて、各入居者に電力を販売するサービスだ。
各居室に太陽光で発電した電力を供給する場合、通常は各居室単位の電気配線であるため、居室ごとに太陽光発電を割り当て、パワーコンディショナーと呼ばれる制御装置を各居室に設置する必要がある。同サービスでは、オーナーが建物全体の電気契約を行い、まとめて電気を使用する形態を取る。そのため、パワーコンディショナーは1台で済み、導入コストを大幅に抑えることができる。
太陽光で発電した電力は各居室に供給し、余剰分は最も売電価格が有利な事業者をENSが選定し、売電。売電して得た収入はそのままオーナーの収益となる。
太陽光発電で賄えない電力はENSが供給する。各居室には分電盤とスマートメーターを設置し、電気使用量などを計測。入居者は自家消費した太陽光発電の電力と、ENSからの電力を使用した分だけ支払う形になる。オーナーは入居者に供給した電気の使用料金に応じて、レベニューシェアとして分配金を受け取れるため、売電以外にも収益化を図ることができる。
入居者に対する電気料金の請求処理などの事務作業は、ENSが業務委託の形で請け負う。太陽光発電の運用業務もENSが行うため、オーナーの業務負担が軽減される。
入居者メリットとしては、地域電力会社の従量課金単価の3%引きの料金で使用できる点が挙げられる。ENSが独自で設定する燃料費調整額が別途発生するが、中長期で比較すると、地域電力会社の燃料費調整額と同等水準の金額となる見込みだ。
また、停電時にも太陽光で発電した電力を使用できるメリットもある。地震などの災害時にスマートフォンなどの最低限の電源を確保できる。
対象となる建物は6~15戸の新築物件。屋根の方角や高さなど太陽光発電が十分に行えない場合は、利用できないことがある。
及川浩社長は「当サービスはZEH-M(ゼッチマンション)にも対応したプランであるため、場合によっては補助金の対象にもなる。補助金を充当し、初期費用を実質無料にすることも可能だ」と話す。

▲太陽光発電搭載低圧一括受電サービスの
スキームイメージ
※イーネットワークシステムズ提供資料を基に地主と家主で作成
(2024年4月号掲載)
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