【特集】屋上防水のタイミングと見積もりチェック①

賃貸経営住宅設備・建材

屋上防水は建物の寿命を延ばすために重要だ。そのため適切な時期に点検・修繕を行うことが必要になってくる。それらのタイミングや防水方法の特徴、見積もり依頼時のポイントについて専門家に聞いた。

【解説】一般社団法人防水工事推進協会(さいたま市)
福島慎介代表理事(48)

前回施工から10年以上たつと劣化が進む

 屋上防水は、使われる材料によって種類が分かれる。塩化ビニールシートを張る塩ビシート防水、ウレタンの膜を塗るウレタン防水、熱したアスファルトと専用防水シートを施工する改質アスファルト防水、ガラス繊維とポリエステル樹脂を組み合わせたFRP防水などだ。次の記事に、主な工法の種類と特徴をまとめた。
 一般社団法人防水工事推進協会(さいたま市)によれば、同協会への問い合わせがあった案件のうち、主流は塩ビシート防水とウレタン防水で、これらの耐用年数は10~18年程度。
 ただ前回の施工から10年以上がたつと経年劣化が進む。例えば塩ビシート防水では、張ったシートに浮きが見られたり、しわが出てくる。ウレタン防水は、表面の色あせやひび割れ、膨れ、塗装の剥がれなどがある。このほかドレン(排水溝)がさびていたり、コケが生えていたりするのも劣化のサインだ。

 

 防水アドバイザーでもある同協会の福島慎介代表理事は「近年は防水の材料メーカーも想定していなかったような酷暑と豪雨に見舞われています。劣化のスピードが速まっている危険性もあります」と指摘する。
 福島代表理事は、10年に1度は防水専門業者に点検してもらうことを勧める。その際の点検は、医療のセカンドオピニオンのように1社のみではなく2社程度に依頼するのが理想だという。「もしも前回施工から15年以上何もしていなければ、雨漏りする可能性が高くなるので、なるべく防水工事を検討しましょう」(福島代表理事)

 

劣化のサイン
●塩ビシートの浮き、しわ
●塗装表面の色あせ、ひび割れ、膨れ、剥がれ
●ドレンがさびている。
コケが生えている

 

(2025年6月号掲載)
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