【特集】人気設備ランキング

賃貸経営住宅設備・建材

ランキング・トレンドから見えた入居者に人気の設備

入居者の設備ニーズを知ることは賃貸経営において重要だ。ここでは「絶対条件となる設備」「付加価値アップ設備」のトップ10を紹介。後段落では24年に流行が予想される9月の設備も取り上げる。

エアコン初登場1位 2冠を達成

 全国賃貸住宅新聞が毎年発表している入居者に人気の設備ランキング。「入居者に人気の設備ランキング」。賃貸住宅設備の最新ニーズを知ることができる同紙の企画、独自企画だ。その中の一つ「絶対条件となる設備」ランキングで、 単身者向け、ファミリー向けともに初登場して、1位となったのが「エアコン」。

 気象庁によれば、23年夏の日本の 平均気温は平年より1.76度高く、1898年の統計開始以来最高となった。全国的な猛暑の影響から、これまで一般的ではなかった地域でも設備が広がる動きが出てきている。「エアコンは設置されていて当然という雰囲気がありますと話す不動産もある。

防犯意識の高まりで定着テレビモニター付きインターホン

 単身者向けで2位となったのは「テレビモニター付きインターホン」。防犯意識の高まりから、エントランスのオートロックとともにセキュリティー設備として定着してきた印象だ。

 ファミリー向けでは3位にランクインした。新型コロナウイルス禍を経験し在宅時間が増えたり、インターネット通販やフードデリバリーサービスの利用が増加したりと、生活スタイルが変化したことで需要が継続している。

温水洗浄便座がランクイン清潔感と温かさが魅力

 「温水洗浄便座」が、単身者向け、ファミリー向けともにトップ10入りを果たした。

 温水を噴射することで肌を清潔に保つ温水洗浄便座だが、便座に保温機能が付いているものが多く、冬場でも快適に使用できるというメリットもある。

不動の人気を誇るインターネット無料が2冠

 「付加価値アップ設備」ランキングでは、単身者向け、ファミリー向けともに1位は「インターネット無料」。7年連続首位となった。賃貸仲介会社からは「顧客の予算より5000円高い物件でも、ネット無料が付いていると提案しやすい」という意見があった。一方で、スマートフォンの契約において、データ通信使い放題の料金プランに加入している若年世代からは「特に気にしない」という声もあるようだ。

 また、「高速インターネット」は単身者向けでは3位、ファミリー向けでは6位にランクインした。特に、テレワークでネットを使ったオンライン会議などをする機会がある単身社会人からの需要が高く、2000~3000円程度の家賃上乗せが可能となっている。

単身女性からのニーズが高いエントランスのオートロック

 2位も単身者向け、ファミリー向けともに「エントランスのオートロック」。テレビモニター付きインターホンと同様、セキュリティー設備として20~30代の単身女性からのニーズが高く、周辺相場より1万円高くても入居が決まるケースがある。

築浅物件で高付加価値ウオークインクローゼット

 ファミリー向けで前回の12位から9位、単身者向けで10位にランクインしたのが「ウオークインクローゼット」。2人住まいや小学校入学前後の子どもがいる入居者からのニーズが高く、物件資料を見たときの反応がいいという不動産会社の声もあった。また、ウオークインクローゼットは築年数が比較的浅い物件に付いていることが多く、家賃は相場より高い傾向がある。

 なお、単身者向けランキングでは、前回よりも順位を上げた設備はウオークインクローゼットのみ。一方、ファミリー向けではウオークインクローゼットをはじめ五つが順位を上げた。

▲ターゲットに合わせた設備で魅力アップ

(2024年1月号掲載)

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