家主のアナザーストーリー:若者たちへ未来を生き抜く知識を伝授

賃貸経営入居者との関係づくり

第36回 社会での活躍目指す若者たちへ 未来生き抜くための知識を伝授

旧社会保険庁や自動車関連の会社に勤務後、2016年からFP(ファイナンシャルプランナー)としてセミナーの実施やメディアへの記事の投稿をするなど、幅広い分野で活動する昆浩司オーナー(岩手県矢巾町)。さらに専門学校では、講師として多くの学生と接する日々を過ごしている。そのやりがいについて、話を聞いた。

授業は正解の丸暗記ではなく壁にぶつかる体験を重視

 NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(東京都港区)が認定するFPの国際資格であるCFPおよび1級FP技能士の資格を持つ昆オーナー。現在、岩手県盛岡市にあるMCL盛岡外語観光&ブライダル専門学校のトラベルビジネス科と外語コミュニケーション科で、ファイナンスを教えている。 同校は、実践的な授業で「社会で活躍できるホスピタリティー精神あふれる人材」の育成に取り組んでおり、県内トップクラスの就職実績を誇る専門学校だ。

 ファイナンスという言葉には金融や財政といった意味があるが、授業では年金などの日本の社会保障から投資、税制、金利、為替、貿易まで、幅広いトピックを扱っている。

「生徒たちには、正解を丸暗記するのではなく、自分で考える力を身に付けてほしいと思っています。そのために難しい問題をあえて提示することも。すんなり解けるより、壁にぶち当たったほうが記憶に残りやすいからです」と話す昆オーナー。

 さらに、豊富な人脈を駆使して、日本銀行や財務省の職員、ファンドマネジャーなどを招き、株価や金利など世界の金融の動きを解説してもらっている。

多くの生徒が資格を取得 卒業生からの相談にも対応

 前述の2学科の生徒の就職先は半数以上が空港で、航空会社に行く生徒もいる。以前教えていた総合ビジネス科は、銀行や不動産会社など一般企業へ就職する生徒が大半だ。就職活動でエントリーシートを出した後や、内定後にFP資格が必要になるケースも多いので、在学中に頑張って取得しているという。

「卒業生の中には、社会に出てからファイナンスの重要性に気付き、FP資格を取りたいと相談に来る人もいます。日本銀行のある行員によれば、3級FP技能士の資格試験の出題内容は、税金や保険、不動産など日常生活に関わるものだそうです。基本的なファイナンスの知識は、誰にでもあったほうがいいのです」(昆オーナー)

 日本では経済の低迷が続いている。昆オーナーはそこから脱却するための資産運用の考え方を若者たちに伝えるとともに、将来、彼らが幸せに暮らせる環境をつくることができるよう、人材を育成して貢献したいと考えている。

▲MCL盛岡外語観光&ブライダル専門学校の授業風景

 

昆 浩司オーナー(54)

[プロフィール]
こん・こうじ 

1969年、岩手県盛岡市生まれ。同県矢巾町で下宿1棟を経営する傍ら、FPとして専門学校や高等学校などで1000コマ以上の授業を行う。そのほか、各種セミナーの講師などさまざまな活動をしている。

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