生前整理に関する意識調査
建物、家屋の解体事業者の認定や解体工事に関する相談受け付け業務を行う一般社団法人あんしん解体業者認定協会(東京都港区)は、3月14~17日の期間に「生前整理に関する意識調査」を実施。遺族の負担を減らすために財産や持ち物を整理している人がどのくらいいるのか、30代以上の男女500人を対象に調査を行った。
Q生前整理を始めるタイミングは?
A. できるだけ早く始めたいと考える
親や親族の死で遺品整理を経験し、生前整理の大切さに気付く人は少なくない。生前整理は必要だと思うか聞いたところ、97.2%が「必要だと思う」と回答している。では、生前整理はいつから始めるのが理想的なのだろうか。
生前整理を始めるタイミングを質問すると、「元気なうちにできるだけ早く(167人)」と回答した人が最も多かった。テレビや雑誌で生前整理についての特集を目にしたり、周囲から体験談を聞いたりして、その必要性を知った人もいるだろう。「病気になってからでは動けない」「事故などで突然死ぬことも考えられる」といった声が上がった。
2位以降の回答を見ると、病気、定年、50歳や還暦といった年齢の節目などの大きなきっかけが機だと考えているようだ。死や老いを意識したときに、初めて生前整理の必要性を感じる人も多いだろう。
Q生前整理をするメリットはどこにあるか?
A. 「家族に迷惑をかけない」が圧倒的
生前整理を行うことでどんなメリットがあるか聞くと、「家族に迷惑をかけずに済む(401人)」と答えた人が8割以上を占めた。自分の都合というよりも、家族のためを思って生前整理をする人が多いことがわかる。「遺族の負担を減らすためにやっておくべき」「家族に対する思いやり」と残された人のことを考える声が上がっている。
また、「自分の人生に区切りをつけられる」「遺族に知られたくないことを処理しておける」「自分が見られたくないものや人にあげたくないものを、捨てたり売ったりできる」などの声も上がっており、生前整理は自分自身のためにもなるようだ。
Q生前整理で大変なものは?
A. 持ち物の整理
大変そうに感じる生前整理は何か聞くと、圧倒的1位は「持ち物の整理(284人)」だった。洋服や家具など、身の回りのものを処分するのは大変で、時には費用もかかる。そして、家族から引き継いだ家具やアルバムなど思い出が詰まった品は処分し難い。
次いで2位は「パスワードのリスト化(104人)」、3位は「現金・有価証券の整理(99人)」、4位は「不動産の整理(90人)」となった。生前整理では、持ち物や不動産などの目に見える財産だけでなく、銀行口座や保険などの目に見えにくい財産も整理することになる。使っている口座やサブスクリプションサービスなどのリストアップとともに、やるべきことをリスト化し、コツコツと進めていくのがいいのだろう。
(2024年8月号掲載)
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