My賃貸経営スタイル:満室と長期入居を実現

賃貸経営入居者との関係づくり

顔が見える関係性で満室と長期入居を実現

 群馬県桐生市に「小島第1マンション(以下、第1マンション)」と「小島第2マンション(以下、第2マンション)」を所有する小島義隆オーナー(群馬県桐生市)。2008年に父親からマンション経営を引き継いだ。

小島義隆オーナー(54)
(群馬県桐生市)

 第1マンションは1988年に竣工し、2DKがメインの20戸、第2マンションは95年竣工で3LDK・20戸。どちらも完成直後は地域のランドマーク的な存在だった。特に第2マンションについて、「3LDKの賃貸は地元でも先駆けでした」と小島オーナーは語る。その後も人気物件であることに変わりはなく、特にこの10年間で入居率は90%を切ったことがない。直近3年間も満室を継続している。15年以上入居している人も多く、中には二十数年から30年にわたり住んでいる人もいる。入居者層は子育て世代のファミリーや単身赴任の社会人、自営業を引退した高齢者夫婦などさまざまだ。

 小島オーナーは、高稼働かつ長く入居してくれる要因を「オーナーとの距離が近いことと、入居者同士の交流が生まれているからだと思います」と分析する。

 完成当初は父親が自主管理していた。現在も小島オーナーが第2マンションに家族で住みながら管理している。共用部の清掃も自ら行い、日々の生活の中で入居者に会うと「おはようございます」「行ってらっしゃい」と声をかけている。言葉を交わすことで、高齢者や1人暮らしの住人から「寂しさが解消され、安心する」と評判だ。また、約4割の入居者から家賃を直接受け取っており「その際にも、近況や子育ての悩みなどについて聞くようにしています」と小島オーナーは話す。

▲マンション敷地内で開かれたハロウィーンイベント 

 入居者同士の交流を促す取り組みも行ってきた。新型コロナウイルスの感染拡大以前は、アメリカ人入居者と協力し、10畳ほどの管理人室を開放してクリスマスパーティーを実施した。春と秋にはエントランスや駐輪場を利用してイースターやハロウィーンを祝う催しを行った。いずれも子どもから大人まで幅広い世代に楽しんでもらえた。現在は夏に敷地内で納涼会を開いている。

 小島オーナーは「これらのイベントが、入居者同士の顔が見える関係性を構築し、『住みやすい』という声や防犯につながっています」と笑みを見せる。

家具・家電付きで家賃アップ

▲家具・家電付き賃貸している部屋 

 第1マンションと第2マンションで行っている家具・家電付き賃貸も好評だ。地上波テレビのアナログ放送終了とデジタル放送への完全移行に合わせて始めたもので、周辺でも同様の取り組みは珍しい。新社会人や単身赴任者らに人気で、工事関係者や映画の撮影関係者といった短期入居の新たな需要も取り込んだ。今までに延べ40世帯に貸し出した。現在の家具・家電付きの部屋は10戸。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、ダイニングセット、カーテンなどを設置して、通常より5000円程度高い家賃で貸すことができている。

(2024年9月号掲載)
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