著者インタビュー:「空き家・古家」不動産投資

賃貸経営不動産投資

地方は宝の山!リスクを極限まで抑えて儲ける 「空き家・古家」不動産投資

 地方での空き家・古家投資の成功法を解説

─一般社団法人全国古家再生推進協議会(以下、全古協:大阪府東大阪市)による再生事例の実績を教えて下さい。  

全古協は、空き家再生の専門家「古家再生士」と、空き家投資の専門家「古家再生投資プランナー」を育成し、空き家・古家を投資物件に変えて戸建て賃貸として供給する取り組みを行っています。古家再生士が厳選し、リフォーム費用を見積もった空き家・古家物件を、古家再生投資プランナーが見学して買い付けるツアーを全国で開催しており、2014年から24年4月までで、2099戸の空き家・古家を再生させました。

─参加者はどういった人ですか。  

古家再生投資プランナーの約7割がすでに不動産投資を行っているサラリーマン家主で、多い人では30~40戸の空き家・古家を所有しています。22年の1年間では、確定家賃の平均は6万8000円、確定利回りは約14%でした。

─北陸や東北など地方の空き家・古家の再生事例も多いです。地方に注目する理由を教えてください。

 地方では驚くような好立地の物件がたくさんあります。新幹線停車駅や繁華街から徒歩圏内も珍しくありません。利回りは都市部より高く、物件自体も土地が広くて建物が大きいという特徴があります。そういった物件を数十万円から購入することができるのです。また、賃貸向けの戸建ては数が少ない一方で、戸建てに住みたいというニーズは一定以上存在し、需要が供給を上回っています。全古協が再生した物件も、多くは1~3カ月で入居が決まります。

─デメリットはありますか。

 売買価格や家賃設定の相場、リフォームの工事費の相場がわかりにくいといったデメリットがあります。ただ、これらは空き家・古家投資がもっと一般化すれば、データも蓄積されて解消していくと思います。全古協でも30年までに再生戸数1万戸を目指します。

─地方での再生案件の具体例を教えてください。  

石川県金沢市内の古い町並みが残る金石という地区で、購入金額150万円、工事費400万円で、募集から2カ月で入居が決まり、確定家賃は6万5000円という例があります。同地区では合計で13物件が投資家に購入されました。住居のほか事務所や店舗として使われ、かつては閑散としていた街に、にぎわいが戻ってきています。

著者プロフィール 大熊重之(おおくま・しげゆき)

一般社団法人全国古家再生推進協議会理事長。2013年に始めた空き家・古家投資に成功。そのノウハウを広めようと14年に全古協を設立した。全古協は1万5000人以上の会員を抱え、空き家・古家物件の見学ツアーを全国31地域で累計1400回以上開催し、買い付けにつなげている。その実績が認められ、23年に国土交通省の不動産業アワードで優秀賞を受賞した。

著者:大熊重之
出版社:日本実業出版社
価格:1870円(税込)

【概要】
全国で空き家・古家を投資物件として再生させている一般社団法人全国古家再生推進協議会。同協議会の取り組み例を通して、空き家・古家投資に成功するポイントをまとめている。その中でも「優良物件になり得る空き家・古家は地方の多くあります」と著者が語るように、地方の物件の再生事例を、具体的なリフォーム方法と実際にかかった工事費、利回りなどとともに紹介している。

(2024年9月号掲載)

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