小物とメッセージボード:季節ものと自筆で入居者の心を温める
榎本了三オーナー(56)妻・千尋さん(横浜市)
大がかりなものでなくても入居者の心に刺さる工夫がある。榎本了三オーナー(横浜市)が所有する1棟6戸の女性専用マンションでは、14年から、妻の千尋さんが共用部に小物やメッセージボードを置き始めた。
1階の階段の上り口にあるスペースに置物を置き、飾り付けもしている。春は桜関連、冬はクリスマスやお正月関連など季節に合わせる。またポストの上の空きスペースにB5サイズの黒板を置き、そこに千尋さんが自筆で入居者の体を気遣うメッセージを書いている。「入居者に和やかな気持ちになってもらおうと始めました」と語る千尋さん。榎本オーナーは「妻は元バスガイド。「おもてなし」の心がそうさせたのかもしれません」と話す。
小物は週末に夫婦で雑貨店を回って探し、黒板の内容は千尋さんが10日に1度の頻度で書き換える。過去に入居者が入れ替わった際、退去した人は、管理会社に宛てた手紙の中で、小物やメッセージについて「心が温まり、元気づけられました」と記していた。
▲黒板に書かれた千尋さん自筆のメッセージ
<傘のシェアリング>
横浜市に4階建て・全7戸のマンションを所有する渡部光・友オーナー夫妻(横浜市)は、2017年からエントランスに共用の傘を設置している。入居者との交流会を開いた際に、4階の住人から「雨に気付かずに1階まで下りると、傘を取りに戻るのが面倒」という話を聞いたのがきっかけだ。4本のビニール傘を設置し、入居者の私物の傘と間違わないように、柄に同マンションのロゴを印刷したシールを貼っている。これまで利用されてきた中で、盗難、紛失は起きていないという。
(2024年10月号掲載)
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