街の風景 写真は語る:アート導入

賃貸経営空室対策

アートの導入で物件を差別化 満室になるまでの期間を半減

 投資用ワンルームマンションの開発を行うメイクス(東京都渋谷区)は、物件にアートを導入して差別化を図っている。

▲メイクスアート三ノ輪Ⅱの共用部に施工されたアート

 エントランスにアーティストがデザインした壁面を取り入れ、物件によっては住戸部分やごみ置き場の壁面にも施す。アーティストマネジメント事業を行うDRELLA(ドレラ:同)と提携し、アーティスト選定を同社に委託する。導入にかかる費用は約330万円。

 最初にアートを導入したのは、2023年7月に東京都台東区に竣工した「メイクスアート三ノ輪Ⅱ」だ。それ以降、「MAKES W ART(メイクスダブルアート)」としてシリーズ化。24年9月26日時点で、東京都と名古屋市に9棟542戸を竣工した。

 2月に竣工した「メイクスWアート今池Ⅲ」を除き、すべての物件で満室稼働している。メイクスWアート今池Ⅲも、9月27日時点で入居率は88%だ。アート未導入の開発物件と比較すると、満室になるまでの期間を大きく短縮できることが分かった。従来の物件では約7カ月だが、アート導入物件では3カ月程度だという。

 メイクスの佐藤龍二専務は「今後オーナーと入居者にアンケートを実施し、アートの効果を測定していく予定です」と話す。

 アートを物件に施すことで、入居者の心身の健康と幸福感の促進を狙う。オーナーとしては、アーティストの知名度が上がれば、アートとともに不動産価値が上がるメリットも見込める。

 MAKES W ARTは、東京都と名古屋市で25年9月期までにさらに7棟を販売する計画。将来的には、すべての開発物件へのアート導入を目指す。

(2024年12月号掲載)

一覧に戻る

購読料金プランについて