自動車の製造、販売を行う日産自動車(横浜市)は、2022年10月26日~11月1日の期間に「EV(電気自動車)の購入時に重要な住居の環境についての調査」を実施。集合住宅に住んでいる30~50代のEV保有者および購入を検討している400人から回答を得た。
QEV車の購入を検討する理由は?
A. 「環境に優しいから」が1位
EV購入検討者に、検討時期はいつだったか聞いたところ、1~3年前と答えた人が43.1%と最も多く、次いで半年~1年前が25.1%という結果になった。直近3年間で76.8%もの人がEVの購入を検討している。
世界的に二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減する脱炭素への取り組みが行われていることもあり、ここ数年で購入意向が高まっているようだ。
EVの購入を検討した理由の第1位は「環境に優しいから(63.0%)」、第2位は「ガソリン価格が高騰しているから(51.3%)」だった。社会的な背景が大きく影響していることが読み取れる。
政府は環境問題に対する取り組みの一環として、EV車を購入した人に補助金の支給を行っている。維持コストを考えても、ガソリン車からEVへの買い替えは、選択肢の一つとなるのだろう。
Q充電設備がない住環境ではEV購入は難しいか?
A.9割近くが難しいと考える
EVを購入するうえで、充電について考えておかなければならない。「集合住宅に充電設備がないとEV購入が難しい」と回答した人が88.6%を占めた。
充電設備がない住環境が理由でEVの購入を締めた経験はあるか質問をしたところ、約半数があると回答している。EV普及のためには、集合住宅との連携が必要なことが浮き彫りになった。
住んでいる集合住宅にEVの充電ができる駐車場があるか聞くと79.5%が「ない」と答えており、EV充電の設備を備えている物件は少ない。EVへの関心度が高まっていることを考えると、これからは充電設備を導入により選ばれる物件になっていく可能性がある。
Q充電スポットまで徒歩でどれくらいかかるか?
A. 30分以上が3割も
集合住宅でEVを保有している50人に充電場所を尋ねると、約半数が自宅以外で充電をしていることがわかった。また、自宅以外の充電設備を利用する人に自宅から充電スポットまでの距離を質問すると、30%が徒歩30分以上かかる場所を利用している現状が明らかになった。
今後EVの購入を検討する場合も、自宅以外の充電設備を利用予定だと答えた人が73.7%と高い数値を占めた。自宅の駐車場を充電場所として想定している人が少ないことからも、充電環境の整備推進は課題の一つといえそうだ。駐車場を経営する家主の場合、EV設備を導入するのも一案かもしれない。
(2024年4月号掲載)
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