データで見えた:近隣トラブルに関する実態調査

賃貸経営統計データ

近隣トラブルに関する実態調査

騒音や迷惑行為などによる近隣トラブルの解決支援を行うヴァンガードスミス(東京都港区)は、2024年8月5~6日に「近隣トラブルに関する実態調査」を実施。1都2府6県(東京 大阪 京都 神奈川 千葉 埼玉 兵庫 広島 福岡)の20~69歳の男女300人から有効回答を得た。

Q.経験したことがある近隣トラブルは?

A. 生活音/騒音関連が圧倒的1位に

 近隣トラブルを経験したことがある人は22.8%で、そのうち約7割(68.0%)が「生活音/騒音関連」のトラブルを経験している。騒音トラブルは長期化することが多く、「1年以上続いた」と答えた人が50.5%と半数以上を占め、深刻化している現状がうかがえる。
 騒音の発生時間帯は「平日夜間・朝(午後11時~翌午前6時)」と「土曜・日曜日・祝日夜(午後6時~11時)」が同率で最も多く、次いで「平日夜(午後6時~11時)」と「土曜・日曜日・祝日・朝(午後11時~翌午前6時)」と続いた。
 騒音を最も感じる季節があるか質問すると「季節による違いはない」と答えた人が80.9%に上り、年間を通じて問題となることがわかった。生活音や騒音は近隣トラブルの主な要因であり、時間帯や季節に関係なく発生し、長期間にわたって影響を与えるようだ。

 

Q.近隣トラブルが原因で引っ越しをした経験はあるか?

A.23%が引っ越しの経験がある

 近隣トラブルが原因で引っ越しを経験した人は23.0%、考えたことがある人は26.3%だった。合わせると約半数が近隣トラブルの解決策として引っ越しを選択肢に入れていることが明らかになった。
 さらに、近隣トラブルで身の危険を感じたことがあるかという問いには、4人に1人(25.3%)が「ある」と回答。その中には、「刃物を突き付けられた」「玄関ドアを何度も蹴られて殺してやると言われた」など深刻なケースも報告されている。
近隣トラブルは入居者の退去につながる可能性がある。賃貸経営にも悪影響を及ぼすため、近隣トラブルには早めの対策が必要だといえる。

 

Q.近隣トラブルについて誰かに相談したか?

A.2割が誰にも相談していない

 近隣トラブルを経験した際、約3割の人が管理会社に相談している一方で、2割は誰にも相談していないことがわかった。トラブルの原因を取り除かないかぎり、解消は難しい。
 当事者間での直接交渉は、感情的な衝突を生み、トラブルを悪化させる恐れがある。相手のことを「嫌い」や「許せない」とまで感じてしまっているトラブルにおいては、当事者同士だけでは収束させることが難しく、トラブルの長期化が考えられる。
 家主は状況を把握し、必要に応じてトラブル解決専門会社への相談も含めた適切な対処をする必要がある。早めに対策することで、トラブルの早期解決と関係者のストレス軽減を図ることができるだろう。

(2025年2月号掲載)

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