【連載】色彩の力:3月号

賃貸経営空室対策

Vol.3 場所ごとに違う青の使い方 効果は濃淡によっても変わる

外装では色みに注意

 今回も引き続き青をテーマに話します。前回、日本で一番好まれる色は青だと伝えましたが、物件で使用する場合にはなかなか悩ましい色でもあります。外装と内装のどちらに使いやすいのかといえば、圧倒的に内装に軍配が上がります。

 まず外装で青を使う場合、特におすすめなのは「水を感じられる場所」での使用です。海辺や川沿いなど水辺の地域には青がよくなじみます。

 ただし注意すべきなのは、小学校でよく使われている、絵の具のチューブから絞り出したような鮮やかな青。この色がフィットするのは商業施設です。日常とは少し違うイベント性のある場所にはよく合いますが、住宅地ではかなり悪目立ちします。賃貸住宅向けには、淡い青や紺色など、周囲の風景に溶け込みやすい色がいいでしょう。

 複数棟の物件を所有している場合は、各棟の青の色みを微妙に変えて配色すると、独自の世界観を演出することができます。

入居率・定着率に差

 一方、内装に関してはもう少し色を選びやすくなりますが、使いやすいのは落ち着きのある青。以前、ワンルームの部屋でアクセントクロスに2種類の青を使い、その濃淡で入居率が変わるかどうか実験したことがあります。淡い青と、鮮やかな青の壁紙です。アクセントクロスが功を奏し、当時6部屋のうち半分が空室だったそのアパートはすぐに満室になりました。どちらの青にも興味を引かれた人がいたようで、とてもうれしかったことを覚えています。

 ところが、それから8年間で大きな違いが生まれました。淡い青の部屋には同じ人が入居し続けていたのに対し、鮮やかな青の部屋はなんと3回も入れ替えがあったのです。そして、これはほかの物件でも同じ傾向が見られました。

 前回「青はリラックス効果がある色」と伝えましたが、鮮やかな青を大きな面積で使用すると、かえって圧迫感を与える場合があります。特に日本では自宅に「休まる空間」を求める傾向が強く、優しい淡い青や落ち着きのある青が好まれることが多いようです。

 それでも鮮やかな青を使いたい場合は、外装・内装ともにポイント使いがおすすめです。例えば、白い壁に青い扉を組み合わせると、海外のような雰囲気になり美しく仕上がります。

 皆さんの物件づくりの参考になれば幸いです。

眞井彩子(さないさいこ)

【プロフィール】 色と旅をこよなく愛するカラーコンサルタント。自らも賃貸物件の運営を行い、色の力で満室を継続中。不動産のカラーコーディネートのほか、パーソナルカラー診断やカラーセラピー、色がテーマのまち歩きなど、色彩を通じて空間や人生に彩りを添える専門家として多方面で活躍中。著書「365日の色 彩暦」シリーズで、多くの読者から支持を得ている。

(2025年 3月号掲載)

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