【連載】海外各都市の不動産投資:上海:3号掲載

賃貸経営不動産投資

中国・上海の不動産事情

海外観光客少なく物価安め

 中国最大の経済都市・上海に、2024年12月、新型コロナウイルスの感染拡大以降、初めて渡航しました。クリスマスを控えた同市最大の商業地・南京路は華やかなイルミネーションで飾られ、街は大勢の若者でにぎわい、東京と変わらない雰囲気でした。

 上海を走るおびただしい数の自家用車やタクシーは、ほぼすべてが電気自動車。配送事業者のバイクも大多数が電動です。夜中に街を歩いても治安の悪さは感じられず、地下鉄も四通八達で、街中の食堂や屋台はどこでも「QRコード(2次元バーコード)」でキャッシュレス決済が可能な「ハイテクで便利な良い街」という印象でした。

 ただ、コロナ前の経済絶頂期と比べて若干変わったのは、値段が高そうなブランドショップではおおむね閑古鳥が鳴いており、安いものが売れているように感じたことです。さらに東京と違って外国人観光客の数が少なく、ホテルの宿泊費は市内一等地でも激安で、眺望のいい四つ星ホテルの高層階が1泊1万円もしない状況でした。外食代も、普通の街の食堂ならランチが500~600円と東京の半額程度で、コストパフォーマンスがいいと感じました。

▲多くの人が行き交う上海の繁華街・南京路

中古価格は16区中2区上昇

 中国の不動産市況は、約30年前の日本のバブル経済崩壊時に似ているともいわれています。広大な国なので地域によって市況はさまざまですが、上海は中国で最も発達した都市の一つで外資も入るため、不動産価格には比較的底堅さも見られます。

 24年11月に見た上海の中古不動産売買価格は、前年同月比で5・28%の下落。市内16区のうち、上昇したのが2区、残り14区は下落という結果でした。(出所:聚匯数拠)

 市内の賃貸の家賃もやや下落傾向だと聞きます。それでも「以前よりは多少下がったが、まだまだ高すぎる」というのが、現地の多くの人の感覚です。

 例えば上海中心部・陝西南路で売り出されていた専有面積28㎡のワンルーム区分マンション(日本式の計算では21~22㎡程度)が318万元(約6700万円)でした。これは東京の都心5区(港区、千代田区、中央区、渋谷区、新宿区)よりも高く、それでいて管理状態は良くありません。ピーク時よりも価格が下がりましたが、まだ割安感がなく、物件の売買が活発に動く状況ではないようです。


アジア太平洋大家の会
代表 鈴木 学

[PROFILE] 海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。

(2025年 3月号掲載)

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