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- 【連載】認知症は怖くない!? 資産を守るためのキホン 4月号
第2回 認知症を発症したサインを見逃すな!入居者の変化を感じたら要注意
認知症と聞いて不動産オーナーが最も心配するのは、入居者が認知症になってしまうことではないでしょうか。少子高齢化で1人暮らしの高齢者世帯が増えているだけに、不動産オーナーにとっては切実な問題です。
入居時に大丈夫だったからといっても安心できません。認知症は年を重ねるほど増加し、65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。入居中に認知症を発症する可能性は決して低くないのです。
認知症発症のサインとは
認知症の中で最も多いアルツハイマー型認知症は、多くの場合ゆっくり進行します。最初はごくわずかな変化なので、同居している人にしかわかりません。このため、1人暮らしの高齢者は、認知症の発症に気付かれにくいのです。
周囲の人にもわかるようになる頃には、中等度以上の認知症に進んでいるケースが多いです。特に、次のような状況は、認知症がかなり進行しているサインかもしれないので要注意でしょう。
●家賃を滞納するようになった
●ごみ屋敷になっている
●近隣住民とのトラブルを起こすようになった
認知症には、徘徊(はいかい)や大声を上げるというイメージがあります。しかし、初期の段階では、これらの症状はほとんど見られないことに注意が必要です。
これまで問題なく暮らしていた入居者が「変わってきた」と感じたら、認知症の発症を疑う必要があります。「困った人だな…」で済ましていると、状況は悪くなる一方です。
家族や保証人に連絡する
1人暮らしの入居者が認知症かもしれないと思ったら、どうすればいいのでしょうか。まずは家族や連帯保証人に連絡してみましょう。場合によっては行政に相談して、成年後見人の申し立てを検討しなければならないこともあります。
認知症は誰にでも発症する可能性があります。自分の物件の入居者は大丈夫だとは思わないほうがいいでしょう。取り返しのつかない大きなトラブルが発生する前に、うまく対処したいものです。
解説
メディカルコンサルティング
(京都市)濱口裕之代表医師兼CEO
[プロフィール]
1996年京都府立医科大学卒業。医師が代表を務める法律事務所向け医療顧問業としては業界最大手のメディカルコンサルティングにおいて、140人の各科専門医と年間1000例の事案に取り組んでいる。「日経メディカル」で「濱口裕之の『治療だけで終わらせない交通事故診療』」を連載中。相続関係では、資産家向けに遺言能力鑑定を提供している。
(2024年4月号掲載)
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