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植栽へのネガティブな感情を消した入居者からの感謝と応援の言葉
馬橋令オーナー(東京都渋谷区)はすべての物件を自主管理しているが、物件に出入りする際には「お掃除のオジサン」と称している。入居者が家主と直接向き合うのは緊張するだろうし、そのほうが入居者の素の様子が見聞きできると思うからだ。
馬橋令オーナー(55)東京都渋谷区

[プロフィール]まばし・りょう
1969年、栃木県宇都宮市生まれ。三菱商事、博報堂勤務を経て38歳で一度FIREしたが、勤め人に復帰。東京都渋谷区と世田谷区の土地を購入し、新築企画物件を建て自主管理を行う兼業家主。テラスハウス2棟と区分マンション3戸、戸建て1棟を所有。
- ▲▶植え替えをしたソテツ。夜にはライトアップされる
東京都世田谷区の所有マンションは「世田谷区みどりの基本条例」に従い建物の周辺を緑化しているが、その植栽の剪定もお掃除のオジサンとして、自ら行っている。
建物の竣工後しばらくは、半年で枯れたソテツを植え替えたり、背丈が5m以上にまで伸びた植物の剪定をしたりと、植栽の維持には苦労した。それ以外にもローズマリーが隣の植栽を枯らしたほか、春から秋にかけての剪定時には蚊に刺された。高所から落ちて頭を打ったこともあり、踏んだり蹴ったりの気分だったという。
ところが数年後、剪定作業をしていたとき近くを通った入居者Aさんから突然「オジサンお疲れさまです。私、この緑があるからここに住んでいるみたいなものなのです。いつもメンテナンスをしてくれて、ありがとうございます」と声をかけられた。Aさんはその物件に8年住んでいる女性で、そのいたわりの言葉がとてもうれしかった。
その後しばらくして、ほかの入居者からも「緑があって、目の前でメンテナンスされていることが物件の好感度を上げている」「大事に守られている気がする」といった声を聞くようになった。入居者から直接言われることもあれば、管理会社から聞かされることもあったという。
「植栽は手間と費用がかかるとネガティブな感情を抱いていたのですが、Aさんからの言葉で、頑張って剪定を続けていてよかったと思うようになりました。すると、ほかの入居者からの温かい声もたくさん届くようになったのです」と馬橋オーナーは話す。
管理会社から、植栽が入居の決め手になったこともあると聞き、植栽は入居者の定着や維持にもつながっていると気付いた馬橋オーナー。今では仕事で帰宅が遅い入居者のために、夜も植栽が見えるようにとライトアップを施している。
(2025年 6月号掲載)