データで見えた:訳あり物件に住んだ経験

賃貸経営統計データ

『訳あり物件に住んだ経験』に関する調査

デジタルマーケティング支援事業を行うNEXER(ネクサー:東京都豊島区)と不動産の売買を手がけるINTERIQ(インテリック:東京都多摩市)は、「訳あり物件に住んだ経験に関する調査」を実施。2024年12月6~13日に、事前調査で「訳あり物件に住んだことがある」と回答した全国の男女100人から有効回答を得た。

Q. 訳あり物件に住んだ理由とは 

A. 「家賃が安かったから」が圧倒的


 問題のある訳あり物件に住んだ理由で最も多かったのは「家賃が安かったから」(68%)で、次いで「立地が良かったから」(22%)と続き、この二つが大半を占めた。ほかには「親族や友人、知人に勧められたから」(5%)、「訳ありと知らなかったから」(2%)、「会社の寮だったから」(2%)、「怖いもの見たさ」(1%)などの理由も挙がった。

 訳あり物件に住むにあたって、不安があったかどうかを聞いてみたところ「不安がなかった」(62%)が「不安があった」(38%)を上回った。不安を感じた人も一定数いたが、多くの人は特に問題なく住んでいたことがうかがえる。不安を抱えながらも住むと決めた理由としては、「家賃が安かったから」「霊感がないので気にならない」「急な引っ越しが必要だった」などの回答があったが、大半の人は経済的な理由を優先していたようだ。

 

Q. 住んでみた結果、何かが起こったことはあるか

A. 「なかった」が約8割


 訳あり物件に住んだ経験がある人のうち、78%の人は、「何も起こらなかった」と回答した。一方、22%の人は「何かが起こった」と回答し、「不審な音」「金縛り」「おなかを思いっきり上から圧迫される」「誰も住んでいない隣の部屋から叫び声が聞こえる」といった現象を経験したと語った。

 しかし、これらは訳あり物件の印象による固定観念から生じた錯覚の可能性もあると指摘されている。例えば、「物音が聞こえたが、思い込みかもしれない」という冷静な回答もあった。
訳あり物件に住んだからといって、必ずしも不可解な体験をするわけではなく、大多数の人は、通常の生活を送っていることがわかった。

 

Q. 訳あり物件にまた住みたいと思うか

A. 半数以上がまた住みたいと思う

 訳あり物件に住んだ経験がある人に、訳あり物件にまた住みたいかどうかを質問したところ、53%の人が「また住みたい」と回答した。その理由として、「家賃が安い」「1度住んで慣れた」「特に何も起こらなかった」などが挙げられ、立地や条件が良ければ、訳あり物件でも気にしない人が半数以上いることがわかる。

 一方で、住みたいと思わない人も47%とほぼ同数存在する。訳あり物件に対する価値観は人によって異なるが、実際に住んだことで心理的な抵抗が薄れることもあるようだ。特に、経済的なメリットを重視する人にとっては、訳あり物件は、選択肢の一つとなり得ることがうかがえる。

(2025年 6月号掲載)

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