ウルグアイの不動産事情
安定した政治と高い生活水準
南米大陸の東岸にあるウルグアイは、人口300万人余りの海に面した共和国です。ブラジルとアルゼンチンに挟まれた同国はいかにも小国に見えますが、日本の約半分の面積があります。日本から見ると地球のちょうど反対側に位置し、温暖で湿潤な気候に恵まれ、名産の牛肉、ワイン、オリーブに加えて漁業や米作も盛んで、他国へも多く輸出しています。

南米は政情不安定な国が多いですが、その背景には先住民の貧困や極端な貧富格差があります。その中でも同国は政治が安定しており、生活水準の高い国です。
また同国には先住民がわずか2%しかおらず、欧州からの移民が人口の大部分を占めています。貧富格差もさほどではなく、そのことが安定した政治につながっています。所得水準も高く、生活物価は日本と同程度に感じました。
年間60日滞在で税金免除に
人口の少ない同国では、外国人の投資を奨励する政策が実施されています。そのため治安の良さや通貨価値の安定を求めて周辺国から富裕層が流入し、経済を潤しています。

▲ウルグアイのリゾート、プンタ・デル・エステの市街地
そして遠い日本から同国の不動産を買うことにも、メリットがあります。例えば「タックスホリデー政策」です。この政策により、外国人が同国で50万米ドル以上の不動産を購入し、さらに同国内に年間60日以上滞在すると、所得税と固定資産税が免除になるほか、税務上の居住国をウルグアイにすることができます。つまり、どの国にも所得税を払わない状態が実現できる可能性があるのです。
また同国は暗号資産(仮想通貨)の利活用にも熱心な国で、ビットコインなどの現金化に税金がかかりません。さらに都市部の不動産は売買も家賃収入も米ドルなので、仮想通貨を実物資産にしたい人は、同国の不動産に換えるのも一案です。
民泊で実質利回り10%期待
同国で不動産投資に向いた都市は、首都モンテビデオから東に車で約1時間半の距離にある、プンタ・デル・エステです。南米中のセレブが集まる風光明媚な海のあるリゾート都市で、国際空港や大都市レベルの商業施設、教育機関もそろっており、富裕層から支持されています。
不動産価格は上昇中とはいえ手頃な水準です。例えばビーチから徒歩圏内の新築コンドミニアムが、専有面積112㎡、2LDK、車庫付きで34万米ドルで買えます。民泊運用も可能で、実質利回り8〜10%が期待できます。
アジア太平洋大家の会
代表 鈴木 学

[PROFILE] 海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。
(2025年 6月号掲載)
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