幼少期から憧れていた賃貸経営 学生向けに新築アパートを運用
檜山忠史オーナー(東京都品川区)は、会社員として勤務していた2012年から賃貸経営を始めた。不動産事業法人を設立し、現在では、神奈川県で4棟42戸のワンルームアパートを経営している。
檜山忠史オーナー(58)(東京都品川区)

父が過去に賃貸経営をしており、小学生の頃、母が家賃を回収する際に同行していた。その影響で、幼少期から賃貸経営に対する憧れがあったという。
「子どもでしたから、母が入居者から現金を受け取っている姿を、単純に『いいなぁ』と思って見ていました。しかし、いざ自分で賃貸用の物件を購入するとなると、金額が大きくてちゅうちょしてしまいましたね」(檜山オーナー)
6年ほど尻込みしていたがその間も、セミナーで情報収集をしたり、インターネットで物件を検索したりと情報収集を重ねていた。仕事のついでに物件を現地まで見に行くこともあったという。銀行の担当者に相談しつつ、融資が下りる物件を探した。そして2012年、最初の物件を購入した。資金は相続した土地の売却益とローンを組み合わせて賄ったという。
この物件をはじめ、今まで所有した物件はすべて新築で購入したものだ。
土地の値段が高い特急停車駅を避けつつ、学生需要のある駅を選んでワンルームの木造アパートを展開していき、18年までの7年間で合計6棟の新築物件を購入した。
管理会社に委託しつつ トラブルや故障に自分で対応
檜山オーナーは、最初に取得した2棟をすでに売却している。そのため、最も古い所有物件は築9年だ。
まだ新しいように感じるが、22年ごろから次々にエアコンが故障し始めた。建物の修繕にはまだ早いものの、設備は更新の時期を迎えている。
故障には、できる限り保険で対応して、持ち出しが出ないようにしている。入れ替えるエアコンは自身で購入し、保証付きのものを選んだ。
「管理は委託していますが、細かい対応は自分でも行うようにしています。夏に早朝から日暮れまで伸びすぎた草を刈りに物件へ赴いたこともあります」と話す。
- ▲夏場には自ら除草に出向いた
23年には、全12戸のアパートで立て続けに4戸の空室が出た。この時は、入居者にギフトカード付きアンケートを実施して原因を探った。しかし原因が判明せず、最終的には騒音トラブルを疑って物件に泊まり込んだという。
「結局、原因はわからないまま次第に入居率が戻っていきました。しかし、あそこまで入居率が下がるというのは、収入の減少も大きかったのです。原因を探るために行動したことは悪くなかったと思っています」(檜山オーナー)
現在、所有物件は満室の状態だ。学生の入居が多いため、入れ替わりは激しい。しかし、築浅であることや、管理のかいもあって、高い入居率を維持できている。
(2025年 6月号掲載)
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