データで見えた:Z世代が求める賃貸住宅に関する調査

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「賃貸経営者に知ってほしいZ世代が求める賃貸住宅」に関する調査

一般財団法人住宅改良開発公社(東京都千代田区)は、千葉大学大学院国際学術研究院の鈴木雅之教授に調査・研究を委託し、2024年1月16~24日の期間に「賃貸経営者に知ってほしいZ世代が求める賃貸住宅」に関する調査を実施。賃貸住宅に入居している18歳〜26歳のZ世代1500人から有効回答を得た。

Q.賃貸住宅のどんなところに不満を感じているか

A.3人に1人が冬の寒さと回答

 Z世代に賃貸住宅のどのようなところに不満を感じているのか質問したところ、約3割の人が「冬寒い」と答えた。男女別および建物構造別の回答からは、特に女性やアパート住まいの人がこの不満を多く持っていることがわかった。「隣の音が聞こえる」「収納が狭い」「料理がしにくい」といった声も多く、およそ4人に1人がこれらの点に不満を感じている。また「日当たりが悪い」(14.7%)や「夏暑い」(13.9%)といった回答も見られた。

 回答者の住居のうち、賃貸マンション(RC造)と賃貸アパート(木造、軽量鉄骨造)の割合はおよそ半々だった。だが、「冬寒い」「隣の音が聞こえる」との回答はアパート居住者のほうがマンション居住者より多く、不満がより大きいことがうかがえる。

 また「家賃が高い」という点については、全体の22.3%が不満に感じていることに選んでいるが、賃貸マンションに住んでいる人からの回答の割合がより高く、賃料と住環境のバランスによって、どの点を不満に思うのかが分かれたようだ。

 

Q.賃貸住宅に望む設備や機能は何か

A.風呂・トイレ別などの水回りを重視

 住宅内に求める設備や機能についての質問では、「風呂・トイレ別」(63.7%)が最多で、「独立した洗面台」(53.5%)が続き、水回りの充実が求められていることが明らかになった。次いで「モニター付きインターホン」(53.3%)、「オートロック」(46.3%)が挙がり、半数近い人がセキュリティー面での設備を希望していることがうかがえる。通信関係では「無料インターネット」(44.5%)、「高速Wi-Fi」(38.9%)に必要性を感じている人が多いようだ。

 男女別に回答を見ると、ほぼすべての設備で女性の希望がより高く出ており、男女間では求める設備に差があることがわかる。特に女性からの「モニター付きインターホン」への希望が男性を大きく上回った。

Q.共用部には何を求めているか

A.6割が24時間ごみ出しを希望

 Z世代の人が共用部に望む施設・サービスでは、「24時間ごみ出し」が6割と高くなっている。次いで「宅配ロッカー」(45.9%)、「駐車場」(37.1%)、「駐輪場」(35.5%)といった生活利便性を上げる施設への要望が続く。ただ首都圏での「駐車場」への希望割合は低かった。

 また約4人に1人が「カフェ」を、2割弱が「フィットネスジム」を希望している中、近年のブームが背景にあるためか「サウナ」(13.2%)が8位に入っている。これは性別で見ると男性の希望のほうが高くなっており、フィットネスジムと同様に、男女で求めるものの傾向が分かれた。

 居住地や属性によって結果に差の出た項目があり、物件がある地区のニーズを正確にくみ取る必要性をうかがわせる。

(2025年8月号掲載)

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