不動産売買や賃貸仲介・管理を行う城南コミュニティ(東京都渋谷区)は、都内で築10年以内の狭小物件に住んでいる男女を対象に「『狭小物件の満足度』に関する実態調査」を実施。2023年5月26~28日の期間で1005人から有効回答を得た。
Q.住む前の懸念点と住んでからの満足度は?
A. 4人中3人が「満足している」と回答
狭小物件に住む前は、「収納が確保できるか」「生活動線が不便でないか」「圧迫感がないか」などを懸念点として考える人が多い。だが、実際に狭小物件に住んでみた満足度を聞いたところ、回答者の70%以上、つまり4人中3人が「満足している」と回答した。
実際に住んだからこそ、気付ける意外な利点として、狭い分光熱費がかからないことが挙げられている。また、狭小であるがゆえに物を増やさなくなったこと、掃除をしやすいことも前向きに捉える人が多いようだ。
最近の狭小物件は、専有面積に含まれないロフトを活用して収納を多く取れるよう工夫されていたり、IoT設備を取り入れていたりと、狭い代わりに設備面に力を入れて造られている物件が多い。高級賃貸住宅にあるような設備を、低価格で利用できることも狭小物件のメリットの一つといえそうだ。
Q.狭小物件を選んだ理由は?
A. 「立地・周辺環境」と「家賃」
狭小物件を選んだ理由を聞いたところ「立地・周辺環境を重視したから」と回答した人が40.4%と最も多かった。以下「家賃を重視したから」(30.3%)、「通勤・通学時間を重視したから」(26.6%)と続いた。
都内の職場や学校が多いエリアは比較的家賃が高い傾向にあり、アクセス面を重視すればするほど、賃料が上がってしまう。
そうした中、狭小物件は、好立地でも家賃を抑えることができる。「予算内で希望するエリアに住みたかったから」「職場にも近く設備も問題なし、家賃も相場より安いから」などを理由に狭小物件が選ばれている。
Q.狭小物件に住んでいる年数は?
A. 4年以上が45%
一般的には長く住んでいると荷物が増えやすく、スペースを圧迫するため、狭小物件は長期入居に向かないと思われがちだ。ところが、回答者の4割以上が、4年以上狭小物件に住んでいると回答しており、立地や家賃の金額を重視している人にとって魅力的な物件であることが見て取れる。
実際に「家賃が高かった」「職場から遠かった」という理由で引っ越しをする人が多いが、狭小物件であれば立地も家賃も希望に近い物件を選ぶことができる。物件探しにおいては人それぞれにこだわりや譲れない条件があるが、部屋の狭さが気にならなければ満足して長く住むことができるのだろう。
(2024年2月号掲載)
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