家主のアナザーストーリー:リキュール造りを支援

賃貸経営ストーリー#コミュニケーション#空き家#活用

若者たちのリキュール造りを土地と建物の無償提供で支援

 髙橋伸介オーナー(東京都港区)は、起業家やベンチャー企業の起業支援を行う「インキュベーター」として、スタートアップのFame’s(以下フェイムズ:東京都江戸川区)に土地と建物を無償で提供。髙橋オーナーが所有する450坪の土地にあった建物をリノベーションし、酒造施設「伊豆下田 白浜蒸留所」が造られた。その取り組みや、将来への展望について語ってもらった。

髙橋伸介オーナー(55)

[プロフィール]
たかはし・しんすけ
1968年、東京都世田谷区生まれ。大手IT企業に16年間勤務。
40歳で不動産投資を始め、50歳でFIREを達成。現在は会社経営者、投資家、インキュベーターとして活動中。 

大好きなお酒でつながった縁自身の土地と建物を蒸留所に

 海水浴場として人気の高い静岡県下田市の白浜海岸から徒歩10分の高台に、髙橋オーナーが母から受け継いだ土地と建物2棟がある。敷地内の2棟は母屋と離れで、現在、離れをスタートアップのフェイムズが蒸留所として使用している。
 お酒が大好きな髙橋オーナーには、東京・お台場のホテルに行きつけのバーがある。そのバーのバーテンダーだった青年が、東京都江戸川区に仲間2人と小さなバーを開店したというので、お祝いがてら飲みに行った。そこで彼らから、「日本の材料を使って自分たちでリキュールを造りたい」という夢を打ち明けられたのだ。 
 髙橋オーナーは、下田の土地での酒造りを提案。自身の所有する土地と建物を、無償で提供することを決めた。
 「彼らは、世界に通用する日本発のリキュールを目指しています。そのチャレンジを、空き家の提供という形で応援することが、自分自身の生きがいにもなっていくと思っています」と髙橋オーナーは語る。

下田と伊豆の魅力を世界に伝えたい

 下田の土地を訪れたフェイムズの3人は、自然と食材の豊かさが気に入り、挑戦を決めた。2021年初頭から準備を始め、23年10月に特産酒類(リキュール)製造免許を取得。その後、「第1弾商品では、下田の青い海を表現したい」という思いを胸に、ブルーキュラソーの製造を開始した。原料には静岡県伊豆市で栽培されたビターオレンジを使用。手作業で丁寧に加工された果皮をアルコールに浸漬し、エキスを抽出している。

 「このプロジェクトは事業で利益が出たら分配する『成果報酬型インキュベーション』方式を取り入れています。この事業の成功は、空き家で収益をあげることができるという証明にもなると考えています。空き家の新しい活用方法として、今後さらに広めていきたいです」(髙橋オーナー)

 そしてついに念願の第1弾商品「シラハマ・クラシック・ブルーキュラソー」が完成。24年4月から発売中だ。

▲第1弾商品のシラハマ・クラシック・ブルーキュラソー。伊豆で栽培されたビターオレンジを使用

(2024年7月号掲載)

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