マンションの自主管理に向いている家主さんとは?

賃貸経営賃貸管理

アパートやマンションを管理する方法には、管理会社に管理委託する方法と、所有者自身で管理する自主管理があります。

多くの家主さんが管理会社への委託を選びます。一方、自主管理を選ぶことで管理手数料を支払わなくてよいメリットもあります。

自主管理の方が向いている家主さんの例や、全国の家主さんの入居者との交流事例を「家主と地主編集部」がまとめました。

自主管理の定義

この記事では、自主管理をアパートやマンションの管理業務である契約管理業務、清掃業務、設備管理業務を管理会社に委託せず所有者自身で行うことと定義しています。

  • 契約管理業務
  • 清掃業務
  • 設備管理業務

自主管理では、法律知識の習得や、入居者への多岐にわたる対応について負担が大きいため、管理委託料を支払い管理会社に委託する家主さんが多いです。

管理委託料の節約になることから自主管理の方が良いのではないか?と迷っているなら、管理会社に任せる前に一度ご自身で自主管理を行ってみる方法もあります。

管理業務は、一部だけを依頼することも可能です。実際にやってみて、自分で続けられるのかどうかを見極めてから、どの管理業務をどの程度委託するのかを決めることもできます。

自主管理に向いている家主

アパートやマンションの賃貸管理をする家主で自主管理に向いている家主は、コストカット重視、物件に近い、現場が好きな方です。

コストカット重視

アパートやマンションの自主管理の一番大きなメリットは管理委託を外部に任せる場合の委託費用を削減できるところです。管理費は一般的に家賃の5%程度。仮に家賃収入が毎月100万円であれば5万円を管理委託費用として支払うことになります。

これは年間であれば60万円の支払いです。自主管理にすれば年間コストの60万円を節約することができるということになります。

また管理会社経由でリフォームや原状回復を行うと、管理会社の方が手配などの手間が掛かる分費用が割高になります。

物件に近い

自主管理の場合、入居者や物件に何かトラブルがあれば自分で直接出向く必要があります。夜中に水漏れが発生したとか、鍵を落としたなどすぐ対応が必要な場合に即座に対応しなければならないからです。また物件や入居者と直接話す必要があることも起こりえます。

そのため、物件が遠隔地にあったり、戸数が多いと体力的にきつくなります。自宅から物件まで1時以上かかる場合は管理会社に委託したほうが良いでしょう。

代々の地主でない家主の場合は、遠隔地に不動産を所有するケースも多くあります。また、サラリーマン家主であれば本業もあることで即時の対応が難しいことから、自主管理は選ばない、選べないケースが多いのです。

所有物件が近いならば、自主管理のハードルは下がると言えます。

現場が好き

アパートやマンションの自主管理に向く人の条件としては、賃貸経営の現場が好きであるということも大きなポイントです。例えば自分でいろいろなアイデアを試したいと考える人、入居者と交流することが好きな人、賃貸経営そのものを自身の人生を豊かにする仕事としてとらえている人があてはまります。

現場が好きでなければ、管理費を支払い管理会社とのやり取りを仕事にした方がいいかもしれません。家主になった目的が自由に使える時間を確保するためであれば、管理委託をした方が多くの時間が残ります。

時間、コスト、賃貸経営の現場が好きかどうか?身体経営の現場に自分の時間やエネルギーを使うことに価値を感じるかどうか?が自主管理をするかどうかの考慮要素になります。

交流方法

アパートやマンションを自主管理をする場合、入居者とどのように交流するかを、事例をもとにご紹介します。

SMSやLINEを利用

以前は、入居者との連絡は電話でしたが、現在ではショートメールのSMSやLINEなどが利用されています。

SMSやLINEであれば、家主さんも入居者側も時間のあるときに内容を送ったり確認できる手軽さがあります。

高齢者の場合は、LINEになじみがない場合が多く、その場合は電話番号さえわかれば送れるSMSが便利です。

自主管理の場合、管理会社の役割として24時間対応する必要がありますが、緊急性が高い場合は電話、そうでない場合はSMSやLINEなどに振り分けることができます。

SMSやLINEは困ったときのホットラインとしての役割を果たします。

掃除中の挨拶

家主と入居者が直接接点を持つきっかけは家主さんが共用部分の掃除や部屋のリフォームなどをしている時が多いようです。

最も基本的なコミュニケーションはあいさつ。あいさつはハードルも低く、しかも、その効果は大きいです。

あいさつが雑談に発展し、入居者のお困りごとの相談に乗ったり、改善点が見つかったり、不動産関連のさまざまな情報を仕入れることにつながります。

掲示板活用

共用部にある掲示板を使用して、季節のあいさつや連絡事項を伝えます。この方法は多くのファミリー向けマンションでみられます。

賃貸物件を借りて後悔する1位は騒音トラブル。隣接住戸や上下階の住民の騒音が原因です。そんな時にも掲示板は注意喚起の場になります。

家主さんが入居者とのコミュニケーションを上手にとることで、大きなトラブルになる一歩手前で芽を摘み取ることも可能になるのです。

共用部での配布

家主にとっては入居者はお客さまです。直接あいさつをしない人でも、入居者に対して感謝の気持ちを伝えるために贈り物を活用する家主もいます。

例えば、

  • エントランスのスペースに節分用の豆
  • クリスマスならチョコレート
  • 近くの畑でとれた新鮮な野菜
  • カタログギフト
  • 子ども用のおもちゃ

贈り物で気持ちを伝えることで、そこから交流に発展させ、何かお困りごとがないかを確認していくこともできます。

また入居者に、お中元やお歳暮、誕生日プレゼントを贈る家主もいます。

特に一人暮らしの入居者には、身近に気にかけてくれる家主がいることが伝わるので心強いと思ってもらえるでしょう。

家主のコミュニケーションによる働きかけから、ささいなトラブルでもすぐ連絡が入るような関係づくりをしておきます。 

「入居者と直接かかわることで余計なクレームが増えるのではないかと心配したが、定期的に顔を見て話すことでトラブルは激減した」と話す家主もいました。

一覧に戻る

購読料金プランについて