達人に聞く! 利回りの考え方

税務確定申告(青色申告)

賃貸経営にとって利回りを考えることは大事だ。だが、利回りの数字それ自体を見ているだけでは駄目だ。そこは落とし穴がある。不動産投資や賃貸経営の達人に利回りに関する疑問を聞いて考え方を知ろう。

 

基礎の基礎を押さえる 表面利回りVS実質利回り

 地主であっても不動産投資家であっても、賃貸経営にとって基本的な指標となるのが利回りだ。

 利回りとは、投資額に対するリターンの割合のこと。例えば、1部屋5万円の賃料で全8戸のアパートを4800万円で購入した場合

 

5万円×8戸×12カ月÷

4800万円×100=10%

 

10%の利回りとなる。

 だが、計算式を見てわかるとおり、これはあくまでも満室時にどれだけ家賃収入を得られるかをベースにしている。いわゆる表面利回りと呼ばれるものだ。

 

 実際の経営では、もちろん手元から出ていく金額がある。借入金の返済という大きな支出だけでなく、管理会社に委託すれば管理費も支払う必要がある。さらには固定資産税や所得税といった各種税金の支払いも発生する。こうした諸経費を差し引いて計算したものを実質利回りといい、これが賃貸経営の指針となるのだ。

 例に挙げた5万円×8戸のアパートを、金利2%の融資を受けて購入したとする。そうすると、まず、想定される月額家賃収入から借入金の支払いとして、毎月18万円に設定すると、手元に残る差額は22万円。この時点で表面利回りとしての手残りのおよそ半分となる。

 さらに、ここから管理費、固定資産税、所得税などの毎月の固定費をおおよそ10万円と考えると、最終的な月額収入は12万円程度。実質利回りは3%と考えられる。

 これは一例ではあるが、表面利回りと実質利回りはこのように大きな差があるのだ。

 

 

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