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ZEH超え省エネ住宅供給へ 補助金予算2250億円、賃貸も対象

 国土交通省住宅局は「子育てグリーン住宅支援事業」として2024年度補正予算案に2250億円を計上し、補助対象に新たに賃貸住宅を追加した。ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)水準に対応する住宅の裾野を拡大することが目的だ。

 23年度の住宅着工数約80万戸のうち、4割を占める賃貸住宅を補助対象に追加することで、ZEHを超える住宅の省エネルギー化と子育て世帯向け住宅の供給を強化する。

 補助は新築と既存住宅の両方が対象で、24年11月22日以降に、新築であれば基礎工事以降の工程、既存住宅はリフォーム工事に着手したものが対象。補助額は新築が1戸あたり最大160万円、既存住宅のリフォームは同60万円だ。特に新築の最大補助額を160万円とした、ZEH水準を大きく上回る「GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅」は、半額相当の補助率に設定した。

 新築は、住戸面積が50㎡以上240㎡以下と比較的広い住戸が条件。同事業は子育て支援も併せて行うため、子育て世帯向けであることが理由だ。新築(図「新築の賃貸住宅を対象とした特則」参照)後の3カ月間は、入居募集の対象を子育て世帯に限定する条件も設けている。しかし、該当期間中に入居者を確保できなかった場合は、子育て世帯以外にも入居対象者を広げてもいいとされている。

 また同特則のうち、子育て世帯向けには優遇家賃を設定するという条件がある。優遇家賃とは、入居募集の時期に一般世帯の入居と比較して子育て世帯の家賃が安くなるように設定したもので、募集広告などに明記する家賃。前述の新築後最初の3カ月の期間に適用される。

 既存住宅のリフォームは、必須工事を行うことが補助を受ける条件となる。必須工事とは①ZEH水準に相当する省エネ性能以上の開口部の断熱改修②躯体の断熱改修③エコ住宅設備の設置だ。3種すべての工事を行うと補助上限金額が1戸あたり60万円、3種の必須工事のうち二つの実施でも同40万円の補助が受けられる。なお環境省や経済産業省が実施する省エネ住宅に関する補助金事業との併用も可能だ。

 国土交通省の楠田幹人住宅局長は「業界事業者からも、省エネ賃貸住宅が入居者から選ばれるようになってきていると聞きます。結果的に入居率が向上し家賃収入が安定すると考えると、投資という目線でオーナーの意識が変わりつつあるのではないでしょうか」と話す。

 さらに賃貸住宅を対象とした融資の支援事業も並行して行われており、新築向けには「子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資」、既存住宅向けには「賃貸住宅リフォーム融資(省エネ住宅)」がある。いずれも住宅金融支援機構(東京都文京区)の金融商品だ。これら既存事業に加え、今回の子育てグリーン住宅支援事業が、賃貸オーナーのさらなる助けとなりそうだ。

(2025年 4月号掲載)

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