体験農園 / 体験農園マイファーム
食育、余暇の楽しみなど幅広い世代でニーズが拡大
使われていない農地を活用し体験農園にリメイク
マイファーム (京都市下京区)
全国に105農園を展開
日本には、過去1年以上作物を栽培せず、この数年の間に再び作付けをする予定のない「耕作放棄地」が増大している。その耕作放棄地を活用した事業が「体験農園マイファーム」だ。
マイファーム(京都市下京区)は、使わなくなった農地を地主から借り受け、体験農園ができるようにリメイクし、利用者に貸し出している。似たようなサービスに行政が運営する市民農園があるが、利用は抽選で、使える期間も2〜3年と限定される場合が多い。一方、同社が運営する体験農園マイファームは、1年間ごとの契約だが、更新の意志があればいつまでも利用できる。
また、農具の貸し出しやアドバイザースタッフが定期的に巡回するなど、サポートも手厚い。育てる野菜も利用者が自由に決められる。利用料は立地や広さによって変わるが、1区画15平米が一つの基準となっており、月額6600円程度で貸し出している。
近年、子どもへの食育や退職後の余暇の楽しみなど、体験農園のニーズは幅広い世代で高まっており、同農園は現在、全国に105農園まで拡大している。 開園の初期費用は、農具の買い揃え、農具の保管場所や休憩スペースの設置、水道設備工事、整地費用、集客のシステム導入費などで200万円が目安となる。
開園パターンにはマイファームが運営する場合とオーナーが運営する場合の2種類がある。マイファームが運営する場合は農園運営に関わるオーナーの仕事は特になく、毎月の利用料の一部がオーナーに支払われる仕組みだ。
開園までの流れは、スタッフが農地の面積や立地をヒアリング。実際に現地に赴き測量し、農園イメージをオーナーへ提案する。周辺環境なども考慮した、集客などのシミュレーションを行う。収益面等も踏まえて、オーナーとマイファームで合意した場合は契約する。作物が作られる適切なタイミングにもよるが、2〜3カ月で開園可能だ。現在、オーナーは個人がほとんどだが、1割程度法人もいるという。新規事業のため土地を借り上げたものの、土地を余らせて管理費だけが掛かっていた状況を打破するため、開園したケースもある。
同社は誰でも身近に野菜づくりができる社会を目指し、今後も体験農園事業を通じて、自然と融合する暮らしを提供していくという。
▲土づくりから収穫まで一連の農作業を体験できる
(2024年10月号掲載)
次の記事↓
【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第五弾③
アクセスランキング
- いよいよ今週12月5日、6日に賃貸住宅フェアin大阪を開催
- Regeneration ~建物再生物語~:既存不適格建築物を店舗併用住宅に再生
- 【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第六弾:①
- Regeneration ~建物再生物語~:築古アパートをシェアハウスに改修
- 【特集】持ち味発揮 共用部を変えた家主の工夫①:エントランス
- 【特集】押さえておきたい不動産の共有リスクと解消法①
- Regeneration ~建物再生物語~:アトリエ付き住宅へリノベして受賞
- 【特集】古くなったら避けられない 大規模修繕の基礎知識①
- 【特集】24年のカギを握る入居者を引き付ける設備9選
- Regeneration~建物再生物語~:魚屋を複合施設へリノベ
- 【特集】基本を知れば怖くない 税務調査への 対応策:①税務調査概要編
- 【特集】時代に乗り遅れるな今こそ省エネ化①:省エネ賃貸住宅の夜明け
- 【特集】不動産購入で伝来の土地を守る
- 地名・土地の名前の由来 その隠された意味とは?
- 地主・土地持ちはずるいvs大変?地主になるにはどうやってなる?
- 武家屋敷(大名屋敷・江戸屋敷)の特徴とは? 跡地に建つ有名施設
- 大家さんとは? 不動産の大家さんになるには