業界トレンド最前線!Topics:トキワ荘プロジェクト

土地活用その他建物

入居率99%超のトキワ荘プロジェクト
既存大規模物件と連携してニーズに応える

 漫画家向けシェアハウスを提供するNPO法人LEGIKA(レジカ:東京都品川区)の「トキワ荘プロジェクト」は、シェア180(名古屋市)と提携を9月より開始。シェア180が管理する千葉県野田市にある68戸の元社宅のシェアハウス「柏北トキワソウルーム」に未来の漫画家らが入居し始めた。

▲築47年の元社宅が、充実した共用部が魅力的なシェアハウスになった

 LEGIKAは2006年のプロジェクト開始以来、戸建てやアパート計76戸をサブリースとして貸し出していたが、直近の入居率は99%を超え、1年以上の入居待ちをするケースも少なくない。「作家にとって、デビューを見越した大事な時期に入居することが重要」と同法人の小崎和隆COOは話す。そのため、既存大規模シェアハウスと提携することで、未来の漫画家たちが希望するタイミングで入居できる環境をつくる。

 「今回提携した物件では、漫画家とは別の属性の入居者がいることがプロジェクトにいい影響を与える」と話すのはシェア180の伊藤正樹社長だ。同社はシェアハウスの賃貸管理だけでなく交流イベントの企画も担当する。「これからは入居者のコミュニティという価値が物件の資産価値につながってくると考えます」(伊藤社長)

 今後も同プロジェクト向けに物件を増やしていきたいという。単身向けだけでなくファミリータイプのマンションといった多様な間取りを提供していきたい考えだ。サブリース期間は10年。漫画家向けという特性上、駅から遠い物件でもデメリットにはならない。またシェアハウスの運営が初めてでも、交流に関してはシェア180がサポートする。「家主にとって、若手支援という社会貢献にもつながります」(伊藤社長)

(2024年12月号掲載)

一覧に戻る

購読料金プランについて