シニアのための賃貸住宅「まごころアパート松葉台」

土地活用高齢者住宅・介護福祉施設

地域住民向けにお披露目会を開催

MIKAWAYA(ミカワヤ)21(東京都荒川区)は1月18日、近隣住民向けに「まごころアパート松葉台」のお披露目会を開催した。地域住民や「まごころサポート」のフランチャイズチェーン(FC)加盟企業など56人が参加。オーナーによる概要説明、居室内覧のほか、代表取締役の青木慶哉氏が自ら参加者に石焼き芋を振る舞った。

MIKAWAYA21(東京都荒川区)
青木慶哉代表取締役(49) 

入居者が近隣住民と交流しやすい設計

つながりが生まれる空間に 「地域の小さな拠点」を整備

 まごころアパート松葉台は、国土交通省の「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」に2022年に採択された「まごころアパート」事業の第1号物件。新築棟、改修棟の計2棟から構成され、両棟とも運営・管理をMIKAWAYA21が担う。

 改修棟は、元々オーナーが所有していた築35年の賃貸アパート。一方新築棟を建てた土地には、オーナーの自宅があった。地域の高齢者が長く健康に暮らせる建物を造りたいとの思いを込めて、約2年の開発期間を経てプロジェクトが実現した。

 

 今回お披露目したのは2階建て全4戸にシニア支援拠点を備える新築棟。横浜市神奈川区菅田町に立つ。アクティブシニアを対象に、終生住み続けられる生活拠点を目指す。

 コンセプトは「ミチニワ」。向かい合うように立つ2棟の間には、大きな道のような中庭が開ける。この中庭は、居住者以外の地域住民も通行することが可能。各居室には窓を広く取っており、窓際のカウンターテーブルからも中庭の様子が見渡せる。お茶をしたいときや少し話をしたいとき、地域住民もふらっと気軽に立ち寄って、居住者と交流することができる。シニアを孤立させない、人と人とのつながりが生まれる空間設計が最大の魅力だ。

▲石焼き芋を作っている様子

 

IoTを活用して見守りサポート コンシェルジュが相談に対応

 まごころアパート松葉台では、シニアが自分らしく安心して生活できるように二つの機能を整備する。一つ目はIoT機器を駆使した見守りサポート。各居室にはベッド付近、入り口付近など計3カ所のWi─Fiセンシングのデバイスを設置し、居住者の活動の有無がリアルタイムでわかる。万が一の際に、家族などが駆け付けられる仕組みを整えた。二つ目はコンシェルジュによるサポート。コンシェルジュとなる地域の有償ボランティアが活動するための拠点を1階に設け、日中に入居者や地域高齢者の生活上の困り事を解決するサポートを行う。

 

 各居室のトイレは広めに取るなど、バリアフリーには最大限配慮して設計。一方で、あえて「バリア」を設けているところもある。

 IoT事業部の竹内誠部長は「高齢者への過剰なサポートは、自立生活力が落ちるといわれています。まごころアパートの各居室にはあえて今必要のない手すりを設けていませんし、2階と1階への行き来は必ず階段。手すりは後付けできるように設計していますが、まずは元気なうちにさまざまなことに挑戦したい、人と積極的に関わりたいというシニアに住んでもらえたらうれしいです」とその思いを語る。
 新築棟は25年3月に完成を予定。今後、バーベキューや流しそうめんなど、地域住民も参加できるイベントを企画していきたいという。

(2025年 4月号掲載)

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