注目企業 PICK UP! :機械式駐車場解体

土地活用パーキング

機械式駐車場を解体、平面化で管理容易に

GOURIKIコーポレーション

 マンションに付帯する機械式駐車場の稼働率は、自動車の保有からシェア・レンタルへの意識の変化などを背景に減少傾向にある。GOURIKI(ゴウリキ)コーポレーション(東京都江戸川区)は、この機械式駐車場を解体して平面化することで長期的に保守費を圧縮し、収支改善に貢献する。

GOURIKIコーポレーション(東京都江戸川区)
山﨑智博社長(59)

自社で部材加工 平均10日間で施工

 鋼製部材を使用して機械式駐車場を平面化する製品「SMART DECK(スマートデッキ)」の販売を13年に開始した。耐用年数を迎え、稼働率の改善が見込めない機械式駐車場を適正な台数に改装するもので、賃貸マンションのオーナーや管理会社、大規模修繕会社に訴求している。

 SMART DECKに使用する部材は、日本製鉄(東京都千代田区)製の溶接軽量H型鋼「スマートビーム」とプレメッキ鋼板「ZEXEED(ゼクシード)」だ。地下のピット内に組み立てる柱や梁に使用する。軽量細分化も可能なことから、クレーンを使用しにくい狭所でも施工がしやすい。スマートビームの上に敷設する床板のZEXEEDは、溶融亜鉛メッキの10倍の耐食性能を有し、長期間メンテナンスが不要になる。

 同社では、千葉県習志野市の自社工場でこれらの鋼材を加工して現場に納品している。案件の規模や状況によるが、施工期間はおよそ10日間だ。

▲地下ビットに柱を立てて高さを調整する

全国550カ所に導入 年間1000台分提供

 機械式駐車場は、限られた空間を有効に利用できるメリットがある一方、エレベーターと同様に保守費用が必要になり、経年とともに修繕費は増加する。今後、機械式駐車場の利用ニーズが回復する見込みが薄いことからも、最適な駐車台数への整理が望ましい。山﨑智博社長は「駐車区画により稼働率が50%を下回ったら平面化を検討する頃合い」と話す。

 平面化工事の種類は一般的に、土砂や砕石で埋め戻した後、コンクリートやアスファルトで表層を舗装する「埋め戻し工法」、発泡スチロールブロックを積み重ねてコンクリートやアスファルトで表層を舗装する「EPS工法」、鋼材を使用する「鋼製平面化工法」の三つがある。同社では、案件に合わせた工法の提案や収支計画の立案などのコンサルティングを行うが、基本的には適用範囲やメリットの多い鋼製平面化工法によるSMART DECKを提案している。

 24年12月末時点の導入実績は全国550カ所、4000台を超える。平面化によって加わる付加価値としては、入出庫の待ち時間がない、大型車などでも駐車でき収容制限がない、EV(電気自動車)充電器の併設が可能などが挙げられる。

 マンションのオーナーや管理会社が収支を改善し、建物の修繕や入居者の居住快適性を高める施策への投資を促進できるようにする。

(2025年 5月号掲載)

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