メンテナンスを自社で行い迅速に対応

土地活用パーキング

企業の取り組み 利益を最大化するための運営方法

■ 日本システムバンク(福井市)

 1996年7月に福井市で創業した日本システムバンク(福井市)。当初はコインパーキングに関わる機械の販売をしていた。現在はコインパーキング運営、機器の販売、メンテナンスを事業のメインとして手がける。同社運営の駐車場「システムパーク」は子会社による運営を含め、全国約1200カ所で展開する。2023年4月には名古屋証券取引所メイン市場に上場を果たし、コインパーキングの付加価値の向上のため進化を続けている。

 駐車場業界は、メンテナンスを別会社へ委託することが多いが、同社ではコールセンター運営とメンテナンス業務も行っている。そのため、現場でトラブルが起きた際の復旧や連携の対応が他社よりも早い。「こうした一気通貫な業務体制が当社の特徴です」と執行役員で営業企画部部長の大森健氏は話す。

 また、営業企画部次長の神林大祐氏によると、キャッシュレス対応希望の利用者とオーナーに利便性が高いアプリ「SmooPA(スムーパ)」をグループ会社が開発・販売をしているという。キャッシュレス決済をはじめ、空いている駐車場の検索やポイントを貯めて使うこともでき、現在は4000事業地で導入済みだ。

 一方、オーナー側は、キャッシュレス決済になることで集金業務が減るため、管理コストの削減にもつながっている。また、アプリをマーケティングに活用するオーナーもいるようだ。オーナーが支払うアプリの利用料金は月額1500円。そのほか、通信料と機械内の端末のレンタル代などは別途かかる。他社のキャッシュレスサービスは、4000~5000円。キャッシュレス用の端末を別途買う場合だと約30万~40万円かかるため、より安価に導入しやすくなっている。

 多くの事業者は、土地を借り上げて本部が運営する方法か機械の販売のみが多く、運営方法を選択できるケースは少ない。その点、同社はオーナー自身が運営する「じぶんで経営」と同社が土地を借り上げて運営する「おまかせ経営」の2種類を用意している。実際は「おまかせ経営」として借り上げを希望するオーナーが多いが、利益の最大化を図れるよう選択余地を残す。「じぶんで経営」を選んだ場合のオーナー業務は集金と清掃のみ。現場で発表したトラブルは同社のコールセンターで24時間受け付けるため、手離れがいいビジネスだといえる。

 初期投資は次のとおり、自動車10台が置ける場合、看板、精算機、フラップ板などの機器と工事代で約400万円。必要な広さは、自動車を3~4台止めることができる70㎡以上を推奨している。

 今後の事業計画では、シェアサイクル、カーシェアやEV(電気自動車)の充電設備の拠点を検討しているほか、駐車場の売り上げ予測をデジタル化し、売り上げが最大化する方法を取り入れる。こうした事業を展開することで、オーナーに情報を提供し、売り上げと収益が上昇するための取り組みを行っていく。

 

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