障がいがある人の住まい
便利で安心して暮らせることにこだわる
生まれ故郷の静岡県をはじめ、東京都や千葉県、横浜市に合計52戸を所有する鈴木康成オーナー(千葉県鎌ケ谷市)。所有するアパートを活用し、2020年11月に障がい者向けグループホーム「ガーベラ」を開設した。
ガーベラ外観
ガーベラは周囲に生活に必要な施設がそろう好立地。一般的なアパートで普通の生活を続けながら、就労を目指してもらいたいとの考えからだ。アパートのうち2DKの3戸を改修して、共用部と6室の自室という構成にした。定員は6人で、おおむね満室経営中だ。
これまでも高齢者や外国人の受け入れに積極的だった鈴木オーナーだが、障がい者の住まいに対しては少し特別な思いがある。
鈴木オーナーは、「きょうだいに重度の知的障がい者がいて、現在は施設に入所しています。実は私の親が94歳で亡くなるまでは親が生活の世話をしていました。不安で子どもを預けられない障がい者の親は多いと思いますが、親も年を取る。そんなときに障がいがある人が安心して過ごせる場所があればいい。自分のアパートはそういう人に使ってもらえたらいいと思ったのです」と話す。
黒字経営を続けて利益を出し 次なる施設につなげていきたい

通常の賃貸経営も順調。現在満室稼働中の物件
家賃は3万円で、共用部には洗濯機や冷蔵庫を用意した。支援があれば1人で暮らせる人を対象としているので、入居者たちは基本的には日中、就労支援施設へ働きに行く。生活するうえで1人でできないことをサポートする世話人が、夜は3人、日中は1人もしくは2人常駐する仕組みだ。世話人の費用は国からの補助もあり、賃貸経営としては黒字で、なかなか退去も出ないという。3年目に入って初めて、空室待ちも出るようになった。
必要としている人に自分の物件を使ってもらうという福祉的な事業ではあるが、ビジネスとしてもしっかり計画を立て準備してやっていきたいと鈴木オーナーは考えている。「社会貢献を続けるために確実に利益を出すようにしていきます。世話人にいい給料を支払ったうえで、出た利益で次の施設づくりにつなげていくことが大切です」(鈴木オーナー)
ちなみに、世話人は資格はいらないが、別途、支援の計画を立てるサービス管理責任者を置かなければならず、こちらは資格が必要となる。最近は障がい者向けグループホームも増えているので、サービス管理責任者の採用難易度は高いという。「本当はもっとグループホームを作りたいのですが、なかなか実現しません」と鈴木オーナーは最近の悩みを話す。
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鈴木康成オーナー(64)(千葉県鎌ケ谷市)
(2024年2月号掲載)
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