アメリカ・ラスベガスの不動産事情

賃貸経営トレンド

カジノ以外の魅力もある街

 ネバダ州ラスベガスは、いわずと知れた、全米を代表する観光・エンターテインメント都市です。一時は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けましたが、2023年11月に開催された、市街地を世界最速の車が猛スピードで駆け抜ける「F1ラスベガスグランプリ」では、観光都市の力強い復活を人々に印象づけました。
 ラスベガスはカジノやエンタメのイメージが強いですが、ビジネスコンベンション都市としても全米屈指の地位を確立しています。数千室の客室があり、端から端まで歩くと20分くらいかかる、超巨大ホテルも多数存在します。

 

 ラスベガスはサービス業中心の都市で、短期・季節労働者も多く、不動産の価格変動が比較的大きいことで知られています。08年のリーマン・ショック時には、ラスベガスの住居用不動産はフロリダ州のマイアミなどと同様に、全米の中でも大きな、約60%の価格下落を経験しました。
 一方、20年以降のコロナ下では、隣接するカリフォルニア州からの人口流入などもあり、2年弱で約50%の急速な上昇になりました。
 その後、22年3月からの米国金融当局の利上げの影響を受け、不動産価格は約1割下落しましたが、利上げが落ち着いた24年には再度上昇に転じるなど、力強い動きを見せています。戸建て価格の中央値は41万ドル近辺(約5900万円)です。

ラスベガス郊外の街並み

人口増加続き、市場は活況

 

 24年の価格上昇の背景には、ラスベガス都市圏の人口増加が堅調で、住宅需要が旺盛だという事情があります。ネバダ州は消費税がかからないうえに、ラスベガスの住宅価格はロサンゼルスやサンフランシスコなど、西海岸の大都市の半分以下です。そのため、生活コストの高い隣のカリフォルニア州から、常に人口流入があります。コロナ下で観光・エンタメ産業が大打撃を受けた時期でさえも、ラスベガスの人口は増え続けました。
 ラスベガスで不動産視察をすると、これまで高止まりしていた住宅ローン金利が少し下がったことで、「今が買い時」だと考える人が多く、市場は目に見えて活況です。24年にアメリカで不動産投資デビューをしたい人にとって、おすすめできる都市の一つだといえます。

PROFILE

アジア太平洋大家の会
代表 鈴木 学
海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。

 

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