新コンテナ建築:移設も可能なコンテナオフィスを提案

土地活用その他建物#トランクルーム#コンテナ

ランドピア名古屋営業所
松嶋秀行所長(45)


土地活用事業を展開するランドピア(東京都中央区)は、コンテナ建築事業の展開に伴い2023年11月1日に、コンテナ建築のモデルルームも兼ねた名古屋営業所をオープンした。場所は名古屋鉄道名古屋本線の山王駅から徒歩2分に立地。同敷地内には屋上緑化付きのコンテナ型トランクルーム「スペースプラス山王駅前」もある。

コンテナオフィスは20フィートで高さが2・896mのハイキューブコンテナ8台を1フロアに4台配置した2階建てで、延べ床面積は93・30㎡。最大の特徴は、将来的に移動が必要になった際には、SDGsの観点から、建築したコンテナを再利用できるよう設計した点だ。

モデルルームも兼ねるランドピア名古屋営業所

また、1コンテナごとに解体することで、移設が比較的容易に行えるのがコンテナ建築のメリットの一つ。さらに解体時の内装の損傷を最小限に抑え、コストおよび廃棄物も削減できる設計・施工を実現している。

デザイン面での特徴としては、そのまま積み重ねただけでは無機質で重い印象の外観になりがちな点を払しょく。公道に面した部分には吹き抜けの中庭に植栽を施し、周辺環境との調和にも配慮した。それに加えて、1階の中庭を囲う3面すべてに窓を設け採光も確保。2階は吹き抜けの横にバルコニーを設置した。応接スペースは、東西両面に窓を設けて明るい空間とした。

1階のワークスペースには光が差し込む小窓を、また2階のミーティングルームには小窓に加えて天窓も設置。屋内各所に観葉植物を配置することで「光と緑あふれるナチュラルオフィス」をコンセプトにした空間に仕上げたという。

エントランスから見たワークスペース

「発泡ウレタンの断熱材を天井と床に採用しました。一般住宅で使用する100倍発泡よりも高性能の30倍発泡を建物の一部に用いることで断熱しています。コストも含め試行錯誤しながら完成させました」と松嶋秀行名古屋営業所長は話す。

同社では今後、コンテナオフィスを起点として「コンテナ店舗」「オフィス+ガレージ」「店舗+コンテナ倉庫」などラインアップを拡張していく。さらに「コンテナ建築+トランクルーム」の有効活用として新しいサービスを開発・提供する予定だ。

(2024年2月号掲載)

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