【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第二弾①コインランドリー

土地活用その他建物#不動産投資#駐車場#土地活用#コインランドリー#フランチャイズ

5月号に続き、立地やニーズに合わせたさまざまな遊休地の活用法を提案する。今回は、土地活用の代表名詞的存在である、コインランドリーや、コインパーキングに加え、医療特化型療養施設やトレーラーハウスを紹介。

土地活用 遊休地編 アプリ活用で利用性が高まる土地活用

非住宅土地活用でメジャーなコインランドリーとコインパーキングを紹介する。

多様化する土地活用

 古くは農地の利用から始まった土地活用ビジネス。一般的にはアパート・マンション経営などがいまだ主流だが、時代の変化とともに新たなビジネスも誕生してきている。中でも、土地活用は、フランチャイズビジネスとも非常に親和性が高い。また昨今では、コロナ禍で無人店舗ビジネスが流行し、無人餃子店や冷凍自動販売機を設置するなど、土地や空きテナントの活用がより活発になった。

 現在は、ランドリーやパーキングの運営が主流となっているが、土地オーナーの利益を最大化するためには、所有地と相性の良いビジネスを採用することが不可欠となる。

 そこで今回は、遊休地編と地域貢献編に分けて、最新の非住宅の土地活用法を紹介する。従来のサービスに独自の付加価値を加えて進化を遂げているコインランドリーやコインパーキング。そして、社会貢献につながる高齢者を対象とした療養施設や、一般住宅と変わらない性能でさまざまな用途に活用できるトレーラーハウスにも注目だ。将来を見据えたブランド選びをして、大事な資産である不動産を守っていくための参考にしてほしい。

コインランドリー Baluko Laundry Place

高品質な洗濯体験を提供するセルフランドリー、人口4300人の自治体の複合庁舎に出店

OKULAB(東京都渋谷区)
久保田淳CEO(42)

ランドリー市場の拡大余地

 OKULABが手掛ける「Baluko Laundry Place」は、高品質なランドリー文化で、豊かな生活体験を提供するランドリーブランドだ。ワークスペースを思わせる魅力的な外観や、店内の清潔感にこだわっている。お洒落な店舗デザインで「使ってみたい」と思わせることで、ランドリーの利用経験を問わず、顧客の獲得に成功している。

 入り口を広げることで、さまざまな属性の顧客が利用するため、同店は併設や協業での出店にも強みを持っている。

 同社は、北海道小清水町の庁舎建て替えのプロジェクトに参加し、2023年5月29日に防災拠点型複合庁舎ワタシノ併設のコインランドリー「Baluko Laundry Place 小清水町ワタシノ」をオープンさせた。同庁舎は、カフェやフィットネスジム、コミュニティスペースなどが入っている総合的な施設となっている。人口が約4300人の町だが、施設のオープンイベントには約1000人が来場し、同店には約300人が来店した。

 同店の洗濯乾燥機の売上構成比は季節によって変動があり、約60~65%。また、洗濯乾燥機の利用者の客単価は1150円だ。雨天時の洗濯や、大きな衣類を洗うためだけではなく、ランドリーを日常生活の家事負担を軽減するために利用する層も増えている。

 同店の標準的な店舗面積は15~24坪だが、5坪から開業が可能だ。1店舗に設置する機器台数の目安は、縦型もしくはドラム型の洗濯機が1台、2段式乾燥機が3列6ドラム、大サイズの乾燥機1台、洗濯乾燥機中サイズと大サイズがそれぞれ2台ずつ、スニーカー用が1台で、合計13台程度だ。

 初期投資額は、機器投資1500万円〜、工事費900万円~、その他費用250万円〜で、合計は店舗規模によって2650万〜4500万円だ。建屋の場合は1500万円程度の費用が追加でかかる。

 標準タイプの規模の店舗の収益モデルは、月商100万円。家賃などの経費が66万円前後。利回りは約10%だ。

 同社は、ランドリーを定期利用していない層を取り込む施策に注力しており、ポスティングやデジタル広告、店舗視認のための看板も重要視している。ランドリーを定期的に利用する人は全体の約3%のため、ランドリーを利用したことが無い人を取り込めるメリットは大きい。また、IoTランドリーの導入など、ユーザー目線の投資で利便性を上げ、利用満足度の向上を図っている。

 今後は、都心型店舗の出店だけでなく、地方での出店事例をもとに、地方の遊休地活用や併設型、モールへの出店にも注力する方針だ。

▲おしゃれな店舗デザインが特徴

(2024年6月号掲載)

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