入居率向上につながるZEH水準  区分リノベ・新築着工続々

土地活用賃貸住宅#環境配慮#Topics#ZEH#省エネ住宅

「ZEH Oriented」を取得した第1号案件「グリーンシティ鷺沼」

 積水化学工業(大阪市)の住宅カンパニーと、リノべる(東京都港区)は、資本業務提携の第1弾の取り組みとして、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)水準リノベーションの提供を行っている。

 2023年10月、リノベるの買い取り再販事業「リノベる。U」で川崎市の区分所有マンションを改修した。このリノベにより、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS(ベルス)」評価機関による「ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)」を取得。販売を開始後、同年11月に成約した。

 同物件は、住宅設備などにかかる一次エネルギー消費量を省エネ基準より26%削減。リノベ前と比較すると、一次エネルギー消費量削減のほか、CO2排出量は31%、光熱費は30%の削減が見込まれる。

 この協業では、マンションを対象にZEH水準リノベの設計・施工、温熱計算、BELS申請、費用対効果の「見える化」をワンストップで提供する。

 また、2社の区分所有マンション買い取り再販事業や、リノベるの個人向け・法人向けリノベ請負事業などで、ZEH水準リノベの普及を推進していく。

 積水化学工業住宅カンパニー経営戦略部企画部の山田攻男担当課長は「賃貸住宅においても、自社の断熱リノベ技術やリノベるとの協業を通じて、性能向上や内装デザイン強化による入居率向上を図っていく考え」とコメントした。

第1号案件「ZEH Oriented」取得のリノベーション済みマンションについて ※リノベるの資料を基に地主と家主で作成

 

子育てしやすさにも配慮

 建物の販売や設計・施工を行うミサワホーム(東京都新宿区)は23年11月に東京都墨田区で「ZEH―M Oriented(ゼッチマンションオリエンテッド)」仕様の環境配慮型賃貸マンション「ASMACI MAISON(アスマチメゾン)墨田区緑I(仮称)」を着工した。

同物件は、南北に並ぶ2棟のうち、北側に建つ9階建て40戸の賃貸マンションだ。延べ床面積は2424・53㎡。

夏の暑さを和らげ、冬の暖房効率を高めることができるLow―E(ローイー)複層ガラスの採用や、外周部の断熱材の追加など高断熱設計を施している。このほか、省エネ性能が高い給湯器「エコジョーズ」やLED照明などを採用し、ZEH―M Orientedを取得した。

共用部分には子供用自転車向けのサイクルポートを設置し、一部住戸にはベビーカー置き場を用意する。このような子育てしやすい環境づくりに取り組む優良な住宅として東京都が認定する「東京こどもすくすく住宅認定制度」のセレクトモデルにも認定されている。

同社として初となる都内での自社開発によるアセット事業で、25年3月の完成を予定する。

南側に同様の住環境を整えた9階建て24戸の「ASMACI MAISON墨田区緑Ⅱ(仮称)」は、24年4月に着工する予定で、25年夏の完成を目指す。

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