注目の新築プロジェクト:徹底的にニーズ調査し高額家賃で満室実現

土地活用賃貸住宅#立地環境#入居者満足度#新築

徹底的にニーズを調査し、事業性を確保
郊外立地でも、高額家賃帯で満室実現

nanao575(ナナオゴーナナゴ:東京都日野市)

娯住創(東京都日野市)
清水勝代表取締役(64)

 緑豊かな町として知られる東京都日野市。京王電鉄京王線の南平駅から徒歩9分の場所に「nanao575(ナナオゴーナナゴ)」が3月、竣工した。元は生産緑地として栗林が広がっていた2000㎡の敷地に、木造2階建ての戸建て5棟とテラスハウス1棟7戸が立つ。

 

 設計したのは一級建築士事務所の娯住創(東京都日野市)。テーマは「自分ち賃貸」だ。「自分の家のように住める賃貸であること、オーナーにとって安定した賃貸経営が可能な物件であることをポイントに企画を進めました」と同社の清水勝代表取締役は話す。

 

▲館銘板と動物をモチーフにしたモニュメントが印象的

 同社では、住む人のニーズに応えることが、それを満たす商品への欲求(ウォンツ)につながると考えている。「ニーズがあって、ウォンツが高まることで購買活動は起こるので、住まい手目線の基本姿勢を大事にしています」(清水代表取締役)そこで、周辺の賃貸ニーズを徹底的に調査した。

 周辺に戸建て賃貸やファミリー向け賃貸が少なかったことから、3LDKと4LDKの戸建てとテラスハウスの混在型を採用。世帯年収が高めのファミリーが、自分の持ち家のように暮らせる賃貸住宅を目指した。家賃は約15万~19万円と高額にもかかわらず、引き渡し前には満室を実現することができた。

 「奇をてらったところはありません。当たり前にできたらいいなということを形にしました」と話す清水代表取締役。随所に気配りを感じる工夫が見られる。

 

▲(左)洗濯機置き場の天井には洗濯物を掛けられるバーがある
▲(右)ベランダに出るための履き物を置ける⼟間。収納にはペット⽤のトイレも置ける

 例えば、中と外をつなぐ土間。外に出やすくするため、リビングに半畳ほどの土間を設けた。履物を外に出していると、汚れたり雨にぬれたりするのを防ぐ。

 くぎやびょうを打つことができない不満を解消する工夫もある。「あったらいいな」と思われる場所にフックやコートハンガー、ピクチャーレールを設置。さらに、有孔ボードやマグネットボードをしつらえたプランも用意した。「ゆとりを感じられる空間、賃貸だからこそできる間取りを実現し、住みたくなる度合いを高めるようにしています」(清水代表取締役)

 その実現のためには、設計・施工を担当したビー・エル・ホーム(埼玉県川越市)、ビー・エル・ビルド(同)をはじめ、多くの人の協力が必要だったと清水代表取締役は話す。

 鉄製の館銘板やモニュメントが至る場所に使われている同物件。これらはすべて、アート ファーム シェロニ(埼玉県東松山市)のアーティストである江口良一氏と江口真代氏に制作を依頼した。工場で作られたモノだけに囲まれるのではなく、アトリエで作られた作品を据えることで、アートが与える暮らしの豊かさを感じられる空間となった。

▲(左)アプローチには猫の足跡型のデザインが施されている
▲(右)入居者専用広場が付いたペット共生型物件

▲戸建て賃貸5区画のLDK

【テラスハウスA号室の間取り図】

【物件概要】
物件名:nanao575
所在地:東京都日野市
構造:木造、2階建て
戸数:戸建て5棟、テラスハウス1棟7戸
竣工:2024年3月
間取り・広さ:3LDK/71.32~81.14㎡、4LDK/71.32~89.42㎡
家賃:15万1000~19万円(管理費込み)

(2024年7月号掲載)

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