土地の評価を下げた参考例|無道路地

相続相続税対策#払いすぎない相続税

道に沿っていても法定外道路の可能性あり

 

 道路に面していない土地だけではなく、建築基準法上の道路でない、いわゆる法定外道路に面している土地を「無道路地」と呼ぶ。

 建築基準法にのっとれば「都市計画区域」と「準都市計画区域」内では、規定の広さの間口で道路に接していない場合は、原則として建物を建てることができない。路線価とは、本来、「標準的な宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに設定」され、その路線に接する敷地に、建物を建てられることを前提として定められている。そのため、建物を建てることができる周辺の道路の路線価と、十分な価格差がつけられているかどうかを検証する必要がある。

 参考例4では、土地A、土地B、土地Cは隣接した土地であり、それぞれ、4万8000円の路線価の付いた幅の狭い道路に面していた。この路線価を基に、それぞれの土地の評価を行ったところ、土地Aが約5700万円、土地Bが約1億円、そして土地Cが約3700万円という評価となった。

 だが、この4万8000円の路線価がついた幅の狭い道路が「建築基準法上の道路」ではないことが現地調査で判明。土地A~Cが接道義務を果たしていない無道路地として評価された。無道路地の場合、最も接近する建築基準法上の道路を正面路線として、間口2m以上の通路開設を想定することで、評価を行う。その結果、土地Aは約2500万円、土地Bが約7500万円、土地Cが約1900万円という評価額になった。

 

KEYWORD

建築基準法の道路

幅4m以上の公道が「道路」として認められる。ただし、建築基準法施行前から使われている道を「みなし道路」とする場合も。

(2024年2月号掲載)

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