「大家さんとはどのような仕事内容?」
「大家さんになるために必要な知識とは?」
「大家さんになるにはどのような本や情報で学べばいい?」
「不動産を購入して大家さんになるにはどのような流れ?」
初めて大家さんになる方向けに大家さんになるにはどうしたらなれるのか?必要な知識や勉強方法、不動産を購入の流れや仕事内容についてお伝えします。
大家さんとは? 仕事内容
大家さんとは、アパートやマンションの賃貸住宅の所有者のことをといい、大家の仕事で収入を得ることを不動産賃貸経営や不動産投資と呼びます。
大家さんの収入は、家賃、共益費、管理費、駐車場、契約時の礼金、更新料などで、その収入の中から、ローン返済費やリフォーム代などが発生します。
大家さんが不動産を賃貸して収入を得るさい、賃貸管理業務として必要となる仕事は以下3つ通りです。
- 契約管理業務(賃料等の徴収、運営・調整・契約更新・契約終了業務)
- 清掃業務(共用部と屋外の清掃)
- 設備管理業務(設備の点検)
大家さんの3つの仕事の詳細は、不動産管理会社(アパート・マンション)」とは? 委託するメリットや選び方をご参照ください。管理会社へ委託するメリットデメリットや選び方、全国管理会社ランキングをまとめています。
大家さんが契約管理業務、清掃業務、設備管理業務を全て自分で行うわけではなく不動産会社に家賃の5%程度を支払い管理委託する方が大半です。
大家さんの約2割が賃貸管理業務を自主管理、約8割が不動産会社に管理委託しています。委託する場合は、良い不動産管理会社を探すことが大家さんの仕事になります。
大家さんになるには?必要な知識
現在、節税対策や、年金問題、家が空いてるから、兼業投資家に憧れて大家さんになりたい人が増えています。
不動産を購入すると、大きな金額になりますし、保証も必要になります。
大家業で成功するには、それなりの知識や経験が必要になります。
本当に利益が出るの?出るとしてもどのくらい?何を勉強したらいい?そんな不安いっぱいのこれから大家さんになりたい方向けに大家さんになるために必要な知識や勉強方法をお伝えします。
事前に知識を学んでおくことで遠回りや危険のリスクを避けることができます。
不動産の相場を知っておく
大家さんになるには、まずは不動産の相場を知っておきましょう。
不動産投資関連サイトで、アパート、マンション、区分マンションの平均価格の大局観を四半期レポートなどで調べます。
物価の高低も考慮に入れて今が高いのか低いのかチェックしましょう。最終的に売却が前提の場合は売却価格も調べておきます。売却額は四半期レポートの相場を参考にします。
買った後に掛かるお金を知っておく
大家さんになり、不動産を買った後に掛かるお金は以下の通りです。
- 不動産仲介手数料
- 登録免許税
- 印紙税
- 不動産取得税
- 司法書士報酬
- 売り主からの清算金
- ローン事務手数料
- ローン保証料
- 団体信用生命保険料
- 火災・地震のための損害保険料
- 税金
- 修繕の積み立て
修繕は費用の中でも最も掛かる部分です。賃貸の場合、敷金を1か月分支払ってもらっていますが、これはあくまで、入居者の故意によるものになります。
そのため経年に関する設備の交換やリフォーム代は、大家持ちになります。リフォーム代は部屋の大きさによりますが1部屋50万~300万程度かかります。
周辺地域の人口推移予測を知っておく
不動産は1回買ったら長い付き合いになります。買ったはいいが、空き室になってはローンが払えないので、大家さんになるには、物件周辺に人が住み続ける地域かどうかは知っておきたいです。
人が住み続ける地域か見極める方法は以下のようなデータを参考にします。
- 各種公的データ:例)総務省 住民基本台帳等
- 不動産サイトなど 今後単身が増えそうか、ファミリーがよさそうかなどしっかり自分で予測して、立地や間取りを選ぶと良いです。
また公式データや不動産サイトでの情報は市町村単位のため、その市町村内の細かい地域のデータまでは分かりません。
そのため自分が住んでいる地域や、住んでいあ事がある地域、通勤の沿線など、公開情報やネットには載っていない実際の情報に対して優位性がある場合ははおすすめです。
建物そのものの知識
大家さんになるには建物の基本的な知識も必要です。イチから新築を建てる場合や、中古を購入する場合でも、建物の構造や工法を知っておく必要があります。一般的な賃貸住宅の建物の構造は以下3種類あります。
- 木造(W造)
- 鉄骨造(S造) :鋼材の厚みが6mm未満で軽量鉄骨 6mm以上で重量鉄骨になる
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
木造が一番コストが安いです。また10階建てまでなら鉄筋コンクリート造より鉄骨造の方がコストが安くなります。鉄筋コンクリートは工期が長くその分コストが掛かります。
トラブルにどう対応すればいいかの知っておく
大家さんになるには、入居者が入ると入居者から苦情に対応する必要があります。管理を不動産屋に委託している場合は、トラブル対応も不動産屋がやってくれますが自主管理であれば当然大家さんがトラブルに対応する必要があります。
トラブル対応は精神的にストレスが掛かるもの。トラブル内容には以下のようなものがあります。
・トイレの排水に異物が詰まり下の階まで水浸しになった
・部屋に友人が集まり大騒ぎでうるさい
・ユーチューブ配信がうるさい!
・毎晩下手な楽器の演奏をするな!!
・戸の開け閉めがうるさくて心病みそう・・・
・近所にホームレスが住み着いて迷惑しています、などなど。
貸し方や管理方法の知識
大家さんになるには、賃貸の貸方や管理方法の知識が必要です。
不動産は管理方法には、自主管理と管理委託に分かれます。それ以外にも物件自体を不動産管理会社に全て借りてもらって決まった額を大家に払うように契約を結ぶサブリースというやり方もあります。サブリースの家賃収入は80~90%程度になります。
不動産投資の一番のリスクは空き室が出て家賃収入がその分減ってしまうこと。サブリースは家賃収入が減りますが空き室のリスクを減らすことができます。
しかし低額払いの額を急に減らされたり、サブリースそのものを辞められなかったりなどのトラブルも多いようです。
会計の知識
大家さんになるには収支報告書や空室率の推移などの会計知識が必要です。物件の収支をしっかりまとめることで、財務的な危険を察知することができます。
次の物件の融資を引くときにも現在の経営状況が評価される事が多いので、まとめられるようにしておきたいいところです。
融資の知識
不動産経営は銀行から融資を受けてレバレッジを利かせて収益を増やすことができます。
そのため不動産物件を購入するために全額のお金を用意する必要はなく、頭金で2~3割を現金で支払い、それ以外を借り入れをして運営することができます。
そのため大家になるための資金は、不動産物件の頭金2~3割を現金で準備できれば良いことになります。
融資を受ける基準は銀行ごとに異なり、借りる人などの世帯年収や金融資産、借り入れ状況で決まります。
銀行から融資を受けるためには、銀行審査があり、金融機関が融資の可否を判断するための5原則である、公共性、成長性、健全性、収益性、流動性があります。銀行から不動産融資を受けるためのポイントは以下の記事をご参照ください。
どこの銀行でどんな条件で融資が可能かはネットの口コミや大家の会などで成功している先輩大家さんに助言をもらうこともできます。また不動産業者も融資の知識を持っています。
融資がいくら可能かは、実際に銀行に自分で案件を持ち込んで知るしかありません。銀行は不動産の担保評価を算出以下の方法を用います。
- 積算評価法:土地評価(路面価×土地㎡数)+建物評価
- 収益還元評価:不動産物件の生み出す収益性から
大家さんになるための勉強方法
本で学ぶ
大家さんになるにはまずは本で基礎を学ぶのがオススメ。例えば不動産投資の詐欺に合ったらどうしようという不安がある方も多いはず。
でも大半の場合は本に書いてある程度の基礎知識があれば撃退できることが多いのです。そこでまずは本や雑誌で超基礎や概要を学びましょう。
金持ち父さん貧乏父さん
ロバートキヨサキ 20年以上前に出版されたベストセラー作品。改訂版が何冊も出版されています。従業員としてではなく稼ぐ仕組みを作ることを勧める本。本の中では不動産投資をして稼ぐ方法について触れられています。
ただ不動産投資の詳しいやり方については書かれてはいないので、稼ぐ仕組みを作るという視点で読むとかなり刺激的な本です。
雑誌で学ぶ
「家主と地主」編集部が毎月発刊している「家主と地主」もおすすめです。
賃貸業や設備の最先端の知識や全国の大家の会の近況など毎月盛りだくさんの情報をお届けしています。紙の定期購読と電子書籍の毎月定期購読が可能。1冊のみ読んでみたい方は以下AmazonからKindleか雑誌で読むことができます。
データブックで学ぶ
「家主と地主」を出版している全国賃貸住宅新聞社では、「全国賃貸住宅市場データブック」を毎年発行。全国の管理会社に管理戸数ランキングを公開。
「全国賃貸住宅市場データブック」では賃貸住宅マーケットの実状がわかるデータが満載。大家さんになりたい方、不動産関係の仕事に従事している方の参考図書にもなっています。
- 賃貸住宅市場規模
- 賃貸管理の実態
- 高齢者、外国人、家主の実態、
- 入居者動向など
セミナーで学ぶ
大家さんになるにはセミナーに出てみるのもお勧めです。セミナーには主催者により以下の違いがあります。
- 設備やさん系の主催
- 大家さん系の主催
- 不動産屋さん系の主催
また、一か所に集まって今まで通り通常行われるセミナーとオンラインセミナーも盛ん。オンラインであれば外出せずに気軽に参加できるし複数参加できるのがおすすめで
しつこい業者などに会うのが怖い方は、大家系がおすすめです。「家主と地主」では毎月全国にある大家の会の活動状況ををご紹介しています。
住んでいる地域や、不動産の購入を考えている地域で、大家の会を検索してみましょう。今ではオンラインでも大家の会を行っているところもあるので、参加へのハードルがぐっと下がりました。
資格を取得する
大家さんになるためには法的に必要な資格はありません。所有の不動産がありそれを貸し出せばよいからです。仮に自主管理を行うとしても資格は必要ありません。
資格を取る必要がありませんが、大家業をやっていくのに学んでおくといい分野としては、宅建業法、借地借家法、FP不動産項目、税金活用などの知識が必要になります。
大家さんになるまでの流れ
大家さんになるにあたり、本を読んだりセミナーに参加してある程度知識が超基本について理解出来たら早速不動産物件を購入してみましょう。さあ!実践編です。
自己資金を準備する
不動産の金額は数百万~億単位まであります。自身のそれぞれの予算で不動産価格を決めましょう。しかしやはり大家さんになる初めての方は失敗をして大きく損をしないために小さくはじめてみましょう。
大家募集の物件を探す
大家募集の物件を探してみましょう。ネットの楽待などで金額や、場所で検索してみれば、どのような物件が売り出されれているのか分かります。
物件には3種類あり、新築、中古、一棟投資、マンションなどの区分投資などです。
試しに自分が住んでいる地域の土地勘のある場所で検索してみましょう。
売買契約を結ぶ
物件が決まったら売買契約を結びます。不動産売買契約の流れは下記の通りです。
- 重要事項説明書
- 不動産売買契約書
- 手付金
- ローン締結
大家さんになるにあたって失敗のリスクを避ける
- 大家さんになったときの仕事内容
- 大家さんになるために必要な知識
- どの本や情報で学べばいいか
- 不動産を購入して大家さんになるまでの流れ
について説明しました。
大家さんには成功する大家と失敗する大家さんがいます。やはり大家業について地道に勉強し自分で調べる人、聞いた情報なども自分で再度検証していくことが失敗のリスクを避け成功します。
お金があるので不動産を購入すれば将来的にはお金が入ると思いなんとなく購入してしまったり、不動産屋がイイ人だからといった中途半端な意識で購入すると失敗のリスクは高くなります。
初めて大家さんになるには不安が一杯かと思います。まずは不動産関連の本や雑誌を読んでみる事をおすすめします。
その後大家の会などのセミナーに是非参加してみましょう。今はオンラインセミナーも盛んです。大家業がグッと身近になるはずです。
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